第1子の育休中に何か趣味でも見つけようと立ち寄った文具屋さんで出会った水引の本。日本文化の美しさを体現する水引の世界に引き込まれ、著書も出版、副業として水引作家のキャリアをスタートさせました。ところが育児、本業、水引のお仕事という三足の草鞋を履きこなすのは想像以上に難しく、2019年、「子どもとの時間を大切にしたい」と考え、当時勤めていた会社を退職しました。これが私の人生の決断。今日は、その決断の続きの物語についてお話しさせてください。
会社を辞め、水引教室をスタートさせたものの、レッスン開始後、約半年でコロナ禍に突入。対面での教室運営は難しく、教室は休会へ。代わりに、2020年4月、自宅で水引が作れる手作りキット「四季を楽しむ十二ヶ月の水引キット」の販売をスタートさせました。売上は好調でしたが、ちょうど4月は第2子の妊娠が発覚したタイミング。つわりやトラブルの多い妊娠となってしまったため、サブスクリプション（月額定額制）サービスは2カ月で終了することとなりました。新しく来たお仕事もすべて断らざるを得ない状況。せっかく積み上げてきたキャリアを白紙に戻されるような感覚です。
「女性の人生って、何なんだろう……」
その後、妊娠5カ月を過ぎたあたりから徐々に体調が安定し、少しずつ仕事を再開。翌年1月、無事に第2子を出産することができました。
雑誌の広告撮影やページ監修、書籍出版、メーカーとの商品開発など、その後も多忙を極める日々となりましたが、大きなタイムラグを経たからこそ、1つひとつの縁の大切さを実感。この8月からは念願だったリアル開催型の水引教室を新たに始動し、動画配信型のオンライン講座の開設準備も進めています。
決断する前も後も、いつも困難はついて回り、その度に必死に食らいつき、乗り越えてきた人生。5年のキャリアを経て、今ようやく「自分がやりたかったこと」を形にできてきたように思うのです。
※水引：金封や贈答品に結び付ける紐で、送り主の心を表現すると言われている
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