キタキュウマンショート

10年前、「ヒーローをビジネスにして生きていく」と決め、福岡県北九州市のご当地ヒーロー「キタキュウマン」の活動を始めました。

北九州市は九州最北端の都市で、関門海峡で本州とつながる九州の玄関口です。私はその北九州で生まれ育ち、大阪の国立大学に進学。就職活動を始めたものの、数社受けたところで飽きてしまった。就職難の時代で第一志望の会社に落ちてしまったこともあり、やる気をなくしてしまったのです。
そこで私は考えました。

――組織に所属せず、自分の好きなことをやろう!

そうして辿り着いたのが、ご当地ヒーローでした。ボランティアでも趣味でもなく、「ヒーロー」を仕事にして生きていくと決めました。
ヒーローを選んだのは、単純に子どもの頃から戦隊ヒーローが好きだったから。そして、たまたま自分がイケメンだったから(笑)。
「キタキュウマン」という「そのまんま」の名前にしたのは、自分が有名になることで、北九州の知名度も一緒に上がっていけばいいなと考えたからです。

まずはSNSで発信を始めました。地面に寝そべった写真に「戦いたくない」と文字を入れて発信するなど、およそヒーローがつぶやきそうにないことを大喜利のように投稿していった結果、どんどんフォロワーが増えていった。当時、facebookで「いいね!」の数が福岡ソフトバンクホークスを超えたこともありました。

現在は10社ほどのスポンサー企業があり、企業や商品のPRを手掛けるほか、ショッピングモールでヒーローショーにも出演しています。活動を始めた当初は大人向けにブランディングをしていたのですが、子どもたちが目を輝かせながらキタキュウマンの闘いを応援し、勝ったら喜んでくれる。これは想定外に嬉しいことです。最近ではヒーローのプロデュースもしており、これまでに2体のヒーローを世に送り出しました。

キタキュウマンは、秋田県の「超神ネイガー」に次いで、国内2位のフォロワー数を誇るご当地ヒーローになりました。価値観は人それぞれなので、ボランティア活動を否定するわけではありませんが、私はヒーローについては、きちんと対価をもらって活動していくことにこだわっています。その分、もちろん責任も伴います。

何かやりたいことがあるときに、それをビジネスとして成り立たせることに夢を持ってほしい。もし「自分のやりたいことはこれじゃない」「もっとお金を稼ぎたい」と考えている人がいるなら、そういう人の挑戦する背中を押せるような存在になれたらと思っています。


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