
2022年、犬の散歩用バッグを企画・販売する株式会社Johnny and Lukeの創業を決断しました。
社会人最初のキャリアを銀行からスタートし、その後、海運会社や医療機器メーカーに勤務。医療機器メーカーでは経理担当として20代でPL(損益計算書)を見て、損益分岐点の割り出しや原価計算、資金繰りなどを理解できるようになっていました。新工場の立ち上げにも携わり、人生でいちばん仕事に熱中した時期だと思います。
27歳で結婚して退職。出産して育児に追われる中で、インターネットでかわいい海外のベビー服を見ることが生活の楽しみになりました。「春になったら、子どもにこの服を着せたい」と考えることで元気になれたんです。「お洋服にはすごい力があるな!」と思いました。育児に追われているママたちに少しでも元気になってほしいと思い、子どもが1歳になったときに、インターネットで海外のベビー服を仕入れてカタログ通販で販売する事業を始め、すぐにインターネット販売に切り替えました。
13年間の結婚生活ののちに離婚し、アパレルの卸売企業で経理として働き始めました。転機となったのは2018年、当時付き合っていた現在の再婚相手がスタンダードプードルを飼いたいと言い出したんです。当時は別々に住んでいたこともあり、軽い気持ちで「いいんじゃない?」と答えました。子どもの頃に犬に噛まれて大けがをした経験があったので犬は苦手で、どちらかというと猫派でした。
ところが、実際にスタンダードプードルのジョニーを迎えると、全力で愛情を注いでくれる姿が可愛くて可愛くて、すぐに虜(とりこ)になりました。半年後には同じスタンダードプードルのルークを迎えることに。おとなしいルークとは真逆で、ジョニーはいたずらっ子でわんぱく。散歩をしていてもあちこち蛇行し、用を足した後、バッグから袋を出そうとしていると引っ張られてなかなか取り出せません。「仕切りが多くて、物を取り出しやすいバッグがあればいいのに」と思って、犬用グッズのショップやインターネットで探してみたものの、理想のバッグには出会えませんでした。
「だったら、自分で作ればいいのでは?」と思ったのと同時に、「どうせ作るなら、自分の大好きな『Botanical Ango(ボタニカルアンゴ)』の柄で作りたい!」と思ったんです。「起業しよう!」と、迷いなく心は決まりました。Botanical Angoは、日本の家紋を元にしたオリジナルデザインブランドです。
入社から15年ほど経ち、ちょうど「この先の人生をどう生きていこうか」「何かやり残したことはないだろうか」と考えるようになっていて、「1つもやり残したくない!」と思ったのも決断の後押しとなりました。
会社員は続けながら、2022年に株式会社Johnny and Lukeを設立。無事にBotanical Angoの使用権を得て試作が始まったのですが、バッグを作るのはもちろん人生ではじめての経験だったので、さまざまな壁にぶつかりました。特に、柄の再現にはかなり苦労しました。
こだわったのは、バッグを地面に置いたときに、自立することと、ペットボトル、マナー袋、携帯電話などを分けて入れられるように、4つの仕切りがあること。
自立するには硬めの生地を使う必要があるのですが、そうすると染めの色が思うように再現できません。自分たちでデジタルプリントすれば簡単にできると思っていたのですが、難しいことがわかり、千葉県松戸市の染色会社の職人さんの力を借りることに。1年半の試行錯誤を経て思い描いた通りのバッグが完成したときは感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
Johnny and Lukeのバッグはいまインターネットで販売しています。テレビドラマの小道具としても採用され、エンドロールでJohnny and Lukeの名前を流していただきました。このバッグを、より多くの方に使っていただきたいと思っています。将来的には、犬を飼いたくても飼えない高齢者が犬と触れ合い散歩ができるようなサロンを開けたら、とアイデアを膨らませているところです。もっと気軽に、もっと身近に犬と触れ合えて、人と犬が共存できる社会を実現するための一助となるような事業を展開していきます。
(構成/尾越まり恵)
社会人最初のキャリアを銀行からスタートし、その後、海運会社や医療機器メーカーに勤務。医療機器メーカーでは経理担当として20代でPL(損益計算書)を見て、損益分岐点の割り出しや原価計算、資金繰りなどを理解できるようになっていました。新工場の立ち上げにも携わり、人生でいちばん仕事に熱中した時期だと思います。
27歳で結婚して退職。出産して育児に追われる中で、インターネットでかわいい海外のベビー服を見ることが生活の楽しみになりました。「春になったら、子どもにこの服を着せたい」と考えることで元気になれたんです。「お洋服にはすごい力があるな!」と思いました。育児に追われているママたちに少しでも元気になってほしいと思い、子どもが1歳になったときに、インターネットで海外のベビー服を仕入れてカタログ通販で販売する事業を始め、すぐにインターネット販売に切り替えました。
13年間の結婚生活ののちに離婚し、アパレルの卸売企業で経理として働き始めました。転機となったのは2018年、当時付き合っていた現在の再婚相手がスタンダードプードルを飼いたいと言い出したんです。当時は別々に住んでいたこともあり、軽い気持ちで「いいんじゃない?」と答えました。子どもの頃に犬に噛まれて大けがをした経験があったので犬は苦手で、どちらかというと猫派でした。
ところが、実際にスタンダードプードルのジョニーを迎えると、全力で愛情を注いでくれる姿が可愛くて可愛くて、すぐに虜(とりこ)になりました。半年後には同じスタンダードプードルのルークを迎えることに。おとなしいルークとは真逆で、ジョニーはいたずらっ子でわんぱく。散歩をしていてもあちこち蛇行し、用を足した後、バッグから袋を出そうとしていると引っ張られてなかなか取り出せません。「仕切りが多くて、物を取り出しやすいバッグがあればいいのに」と思って、犬用グッズのショップやインターネットで探してみたものの、理想のバッグには出会えませんでした。
「だったら、自分で作ればいいのでは?」と思ったのと同時に、「どうせ作るなら、自分の大好きな『Botanical Ango(ボタニカルアンゴ)』の柄で作りたい!」と思ったんです。「起業しよう!」と、迷いなく心は決まりました。Botanical Angoは、日本の家紋を元にしたオリジナルデザインブランドです。
入社から15年ほど経ち、ちょうど「この先の人生をどう生きていこうか」「何かやり残したことはないだろうか」と考えるようになっていて、「1つもやり残したくない!」と思ったのも決断の後押しとなりました。
会社員は続けながら、2022年に株式会社Johnny and Lukeを設立。無事にBotanical Angoの使用権を得て試作が始まったのですが、バッグを作るのはもちろん人生ではじめての経験だったので、さまざまな壁にぶつかりました。特に、柄の再現にはかなり苦労しました。
こだわったのは、バッグを地面に置いたときに、自立することと、ペットボトル、マナー袋、携帯電話などを分けて入れられるように、4つの仕切りがあること。
自立するには硬めの生地を使う必要があるのですが、そうすると染めの色が思うように再現できません。自分たちでデジタルプリントすれば簡単にできると思っていたのですが、難しいことがわかり、千葉県松戸市の染色会社の職人さんの力を借りることに。1年半の試行錯誤を経て思い描いた通りのバッグが完成したときは感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
Johnny and Lukeのバッグはいまインターネットで販売しています。テレビドラマの小道具としても採用され、エンドロールでJohnny and Lukeの名前を流していただきました。このバッグを、より多くの方に使っていただきたいと思っています。将来的には、犬を飼いたくても飼えない高齢者が犬と触れ合い散歩ができるようなサロンを開けたら、とアイデアを膨らませているところです。もっと気軽に、もっと身近に犬と触れ合えて、人と犬が共存できる社会を実現するための一助となるような事業を展開していきます。
(構成/尾越まり恵)
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