キャリアコンサルタントとして働く人や学生のキャリア支援、社員研修やキャリアコンサルタント養成講師として生きていくことに決めました。
大学卒業時は就職氷河期。就職活動をしても「去年までは採用していたけど、今年からは採用しない」という声がほとんど。たまたま空きのあった地元・静岡県富士市の教育委員会を経て、市内の小・中学校で事務員として勤務することになりました。
事務員の仕事は給食費や教材費など金銭面や設備の管理、職員の労務管理など、学校全体を管理する、大変やりがいのある仕事です。そんな中、勤務先では生徒の不登校や教員のメンタル不調による休職を目の当たりにしてきました。保健室や相談室、事務室登校しかできない不登校の児童・生徒も多く、うつ病等で休職や退職を選ぶ教員もいました。
そこで本格的に心理学を学びたいと感じるようになり、通信制の大学に編入。発達心理学や産業心理学を学びました。事務職のスキルも上げていきたいとパソコン教室や簿記の講座にも通うように。そこで知り合った方から紹介され、静岡県就職相談センター・ヤングジョブステーションで勤務することになり、キャリアコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせました。キャリアの知識はもちろん世の中にどんな職業があるのか、労働市場の現状はどうなっているのか、知らないことだらけ。いろんな分野の本を買いあさっては勉強する毎日でした。
キャリアコンサルタントとして10年ほど経った2015年には、文部科学省が主催する、子ども・若者の支援を学ぶための「日独青少年指導者セミナー」のメンバーに選ばれ、15日間のドイツ視察へ。ドイツは学校と医療・福祉、労働などの官と民が一体化してうまく連携しています。スクールカウンセラーなど多様な専門職による包括的に支援が行われ、就労もマイスター制度や訓練制度があり、企業も資格取得に積極的。多くの刺激と気づきを得ることができました。
このとき勤めていた就労支援施設が閉鎖したことを機に独立を決意。キャリアコンサルタントが国家資格化したことを受け、キャリアコンサルタントの養成講習の講師も担当するようになりました。知識ゼロ、未経験から道を拓いてきたことや、現場での経験が長いため養成講習の段階でもたくさん伝えられることがあります。これまでにキャリアコンサルタントとして18年のキャリアと7,000件の就労支援実績もある。今は「ライフキャリア」という言葉もあるほど、仕事と人生は密接に結びついています。人生100年時代、「はたらく」の相談相手として、その人の人生に寄り添い、一歩踏み出すお手伝いをしていきたいと思います。
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