Nショート

27歳のとき、地元大阪で交際を始めたのは、少し年上の既婚男性。付き合う前はやさしい人だと思っていました。でも、いざ付き合い始めると束縛がひどく、「おや?」と思うことが増えていった。どんどんエスカレートしていくので怖くなって、「別れたい」と言うと、「別れるくらいなら、おまえを殺して俺も死んでやる!」と。いやいや、あんた既婚者やろ!

友人に相談しても、具体的な解決策が見つかりません。暴力などの直接的な被害を受けたわけではないから、警察にも相談できない。身の危険を感じながら過ごしていたとき、たまたま以前の職場の同僚が「東京の会社で一緒に働かない?」と声をかけてくれたんです。日ごろから「離婚するつもりはない」と言っていた彼は、大阪から出られない。これはチャンスだ! と思い、すぐに転職を決めました。

ただ、何も言わずに逃げたら、探されるかもしれない。どうしたら、穏便に別れられるだろう‥‥‥。悩んだ結果、彼は私の仕事を応援してくれていたため、そこを強く訴えることにしました。目に涙を浮かべ、私は言いました。
「破格の条件でスカウトされて(実際は破格ではない)、キャリアアップができる。あなたのことを嫌いになったわけではないんだけど(実際は別れたくて仕方ない)、応援してほしい」。
涙の寸劇は大成功。人間、切羽詰まれば何でもできるなと思いました。私は上京し、無事に彼と離れることができました。結果的に、東京でキャリアアップも実現。私は運が良かったとも言えますが、ストーカーに悩んでいる人は、とにかく環境を変える方法を考えてみてほしいと思います。

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