村田薫


ファッションとダンス。大好きなことを仕事にしながら、息子と幸せに生きていく。
苦しい20~30代を走りぬいた末にたどり着いた決断でした。

高校2年生でスタイルヒップホップというダンスの世界にハマり、立命館大学進学後はダンスサークルを立ち上げ、関東ダンス大会3位入賞を果たします。しかしその実績は就職活動には間に合わず、大学卒業後は都内のアパレルショップで働き始めました。

ファッションは大好きでしたが、自店舗で提案できるスタイルには限界があり、もっとお客様に寄り添った提案がしたいと歯がゆさを感じていました。また、店舗内の人間関係にも悩みを抱え、さまざまなストレスの結果、瞬く間に体重が激減。このままではいけないと実家の福井へ戻って地元の男性と結婚、息子を出産しました。
しかし結婚生活もうまくはいかず、2年で離婚。結婚式関係の企画営業の仕事を始めるも、ウエディング業界は土日と夜が主戦場。日中「ママがいない」と息子が大泣きしていることを知り、また挫折。一体何のために働き、何のために生きているのかよくわからなくなりました。

好きなことを仕事にしたい。でも息子も大切だし、お金も必要。自分も息子も幸せになれる方法は何だろう。

考え抜いた結果、3カ年計画を立てることにした私。まずは息子と生きていく上で時間や場所にとらわれず安定収入を得るために、職業訓練に通いWEBクリエーターの資格を取得。貯金を蓄えながら次は「自分の好きなファッションの仕事を」と、パーソナルスタイリストの養成講座に通い、2019年、ついに起業。SNSを通じて依頼を受けた個人のお客様に対してショッピング同行などを行うほか、ダンスのイベントプロデューサーとして一般人を対象にしたファッションショーも開催。スタイリストとしては関西大手ショッピングビル「ルクア」の認定スタイリストに選出され、ダンスパフォーマーとしてはこの秋、パリの企画展にも参加するなど、活躍の場を広げています。

好きなことを仕事にできたうえ、息子との時間も持つことができました。

 「一生懸命がんばる姿を応援することで、私も一緒にがんばれているように思える」

大学時代、懸命にダンスに取り組む私に友達がかけてくれた言葉です。自分ががんばることで、誰かを幸せにできることもある。「大人にならなきゃ」ととらわれる必要なんて全然ない。多くの挫折の果てに、今やっと自分なりの道に辿りつくことができました。

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