雨谷亮

私は、32歳で三菱UFJ銀行を退職。「お金と時間の学校」を運営し、金融教育事業を展開していくと決めました。

会社員として働く両親のもとで「お金はしっかり貯金しなさい」と言われて育ち、よくある日本の一般家庭で育ちました。大学は奨学金を借りて青山学院大学理工学部へ。学業よりはラグビーに明け暮れ、就職も体育会系であることが評価されて三菱東京UFJ銀行に入行しました。

入行後は法人営業として、融資や給与振り込み口座の切り替えなどを担当。会社の看板を背負うことで、22歳の若者が人生経験豊富な経営者と対峙できることが面白く、仕事にのめり込んでいきました。その後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に出向して投資銀行本部にてM&Aアドバイザリー業務に従事。東証一部上場企業をはじめとして、さまざまな企業統合案件を担当していきました。このとき、同じ職場の仲間が銀行の文化にはほとんどない、転職や独立をしていく姿を間近に見たことで、銀行帰任後に「このまま銀行で働き続けるべきなのか」と自身のキャリアに疑問を感じるようになりました。

実は学生時代、内定式で仲良くなった同期との懇親会に参加した頃の私は、金融や投資、ビジネスに関する知識を何も持っていませんでした。金融に関する専門用語がどんどん飛び交う中「え、こんなことも知らないの?」と言われてしまう始末。そこで、新聞や投資本を読み漁って知識をつけたのち、実学として学んでみようとバイト代やお年玉で貯めた150万円でアメリカ株や投資信託を購入してみました。するとリーマン・ショック直後で株価が暴落していた影響もあり、1年ほどで300万円以上に。「こんな簡単に投資してもうまくいくんだから、もっと勉強したらもっと増やせるだろう」と考えるようになっていました。

また、自分自身が10年以上務めた銀行を退職して、自分の強みである金融業界で、当時勢いのあったフィンテック系のベンチャー企業に転職しようかどうか迷っていたとき、投資のおかげで、ある程度の経済的な余裕を持っていたことが、次のキャリアの後押しに。不安なく自分のキャリアを前に進めることができました。この実体験を通じて、投資や金融に関する知識を身に着けることは多くの人の人生の選択肢を広げることに繋がるのだと気付かされました。個人投資家として投資を実践してきた経験もあり、銀行員・証券マンとしてのキャリアもある。顔出し実名にも抵抗がありません。

――金融教育事業は自分のやるべきことなのかもしれない。

そう確信しました。コロナ禍の2020年にフィンテック系ベンチャーを退職し、株式会社money time hackを設立。銀行を退職したときと同様、独立したときも自分自身では不安は少なく、むしろ周囲のほうが驚いていました。私自身に不安がなかったのは学生時代から10年以上にわたって投資をしてきたことによる資産があったからであり、「最悪どうにかなる。会社員に戻っても構わない」という心の余裕があったからだと思います。

思えば、大学時代から中学生向けの塾講師をしたり、銀行時代に新入社員教育を任されたりと、人に何かを教えることは昔から好きでしたし、自分の得意な金融や投資で自分の好きな「教える」ことに挑戦しようと決断したことも、心の余裕がなかったら、できなかったかもしれません。

独立から5年。現在では年間200名以上の受講生に対して、金融教育を届けています。金融の勉強はラクでもないし甘くもありません。でも、誰にでもできるものです。投資成果のおかげで早期退職をした方も何人もいますし、そういう選択肢の自由さを与えてあげたい。投資をして自分自身の目利き力を養えば、間違いなく人生の選択肢は増えていきます。老後資金の蓄えにも、キャリアアップにも、若い人でも就職活動の企業分析にも役立つものです。おかしな投資詐欺に引っかかる人を減らし、日本を金融大国にしてみんなで豊かな国を作っていきたい。そのためにもまずは金融リテラシーの高い人材を育て、そして金融教育ができる人材を育てて金融教育業ナンバーワン企業を目指して活動し続けていきます。


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