3月に「韓国語レベルはどの程度アップしたのか?」というコラムを書きました。
その後の報告ですが、6月にチャレンジした「ハングル検定4級」は見事に玉砕。まったく歯が立たず、不合格でした(涙)。どんどん自信をなくしているわたし。
7月で韓国語の勉強を始めて3年目に突入しましたが、先は長い。語学って本当に習得に時間がかかるものですね……。
しかしながら、明らかにボキャブラリーは増えているし、6月にはひとりで韓国に行けたし、街のハングルがかなり読めるようになっていたし!と、自分を励まし、増え続ける推したち(笑)の顔を思い浮かべながら、「通訳さんより先に推しの言葉を理解してやるんだ!」という強いモチベーションのもと、勉強を続けております。
ポギハジマ!(あきらめるな!) ナ ハルスイッソ!(わたしはできる!)
挨拶がやさしい韓国語
韓国語を勉強しているうちに、日本語との違いに気が付くようになりました。日本語以外の言語を学ぶことは、普段何気なく使っている日本語を知ることにもつながるのだなぁと実感しています。
まず、韓国語は挨拶がとてもやさしいんです。
日本人でも多くの人が知っている「アンニョンハセヨ」は、ハワイの「アロハー」と同様に、朝昼晩、いつでも使える挨拶です。
アンニョンは、漢字で書くと「安寧」。アンニョンハセヨを直訳すると、「安寧になさってください」となり、相手を気遣う気持ちが込められています。
また、一緒にいる人と別れるとき、去って行く相手を見送る場合は「アンニョイガセヨ」(安寧にお行きください)。相手のもとから去る人は「アンニョイゲセヨ」(安寧でいてください)と、言い回しが異なります。ここにも相手への気遣いを感じます。
「ありがとうございます」は「カムサハムニダ」ですが、「カムサ」は漢字で「感謝」。つまり、感謝します。という意味です。日本語の「ありがとう(=有り難う)」もいい言葉だと思いますが、より直接的に意味が伝わってくる気がします。
あと、これは言葉というより文化ですが、韓国の挨拶で特徴的なのが、「パン(飯)モゴッソ?(=ご飯食べた?)」です。「アンニョン」と挨拶をした後、まず「ご飯食べた?」と聞くんです。
日本でこれを言われると、「え、ご飯に誘われてるのかな?」と構えてしまいますよね。でも、韓国人は別にご飯に誘っていません(笑)。「おはよう!」「元気?」というノリでただ「ご飯食べた?」と聞くんです。
貧しい時代が長かったからなのか、韓国では食べることをとても大事にします。
「医食同源」の精神があり、食は医療と同じくらい大事なもの、食べることは生きることという考え方が生活の中に根付いているんですね。
ドラマでも、家族以外にも「とにかく食べなさい」とご飯を食べさせる懐の深いオンマ(母親)がよく出てきますし、食事のシーンがとにかく多い。
韓流ブームのきっかけとなった『冬のソナタ』の食事のシーンを見て、「ヨン様が食べているあの食べ物は何なんだ!?」と日本のファンが興味を持ち、日本に韓国料理が根付いたとも言われています。
また、一説によると、ケンカ中のカップルでも、相手がご飯を食べたかどうかだけは気にしてメッセージを送るのだとか。マジですか。
多様な表現ができる日本語
一方で、日本語にもいろいろな特徴があります。
日本語が世界の言語の中でも習得が難しいとされる理由が、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類もある、文字の多様さです。アルファベットなんて26文字しかないんですよ。なんてシンプルなんでしょう。そりゃ、英語が世界共通言語に選ばれますよね。
海外の人が日本語を学ぶとき、まずは「50音だ!」と希望を持ってひらがなを習得し、その後、無限に広がる漢字に絶望するのだそう。
先日、韓国の男性2人と飲みに行きました。1人は韓国で生まれ育ち、母親が日本人、父親が韓国人という日韓ミックス、1人は韓国で生まれ育った純粋な韓国人。どちらも日本で何年も暮らしているため、日常会話の日本語はまったく問題なく話せます。
たまたま学校をイメージした居酒屋で、店員さんが「解いてみてください」と理科のテスト問題を持ってきたんです。
その中に「サメは何類ですか?」という問題がありました。わたしは、クジラは哺乳類だけど、サメは魚類よね?と「魚類」と書いて見事正解!
しかし、韓国男性2人はどちらも「250種類」「125種類」などと数字を答えていたんです。コバンザメとかジンベイザメとか、サメの種類がどれくらいあるかを聞かれたと勘違いしたみたいです。正解は魚類だと言うと、ふたりとも「え、なんで?」ときょとんとしていました。
そして、1人が言いました。「韓国人は読解力がないんですよ(あくまでも彼の意見です)。漢字がないから」と。
なるほどな、と思いました。日本人は、文章を読むときに、意識せずに、漢字から意味を想像しているんですよね。だから、「何類」と「何種類」が意味することの違いを感覚として理解しています。「類」はグループを指し、数を意味するのは「種」のほうだと説明できなかったとしても。
あぁ、ここに日本語の多様さがあるんだな、と、日本語を母語としていることがちょっと誇らしく、とても豊かなことに思えました。
日本語の何が難しいのか
そんな難しい日本語を、韓国人俳優やK-POPアーティストは、本当に熱心に勉強していて、尊敬の念が絶えません。わたしがちっとも韓国語を習得できないからなおさら。
先日、日本でも人気の若手韓国俳優のファンミーティングに行ったのですが、彼は日本語の歌詞で歌手デビューもしていて、決して流暢ではありませんが、4時間のファンミーティングで、ほぼ9割、通訳なしで日本語を話してくれました。
彼が日本語のどこでつまずくのかを聞いていると、日本語の難しいポイントがよくわかりました。
まずは擬音語。
「おなかがペコペコですか?」と言おうとして、「おなかがパコパコですか?」と言っていました。か、かわいすぎる……(笑)。
日韓カップルが最後まで分かり合えないのが、この擬音語だとか。
頭が痛いときに、「ガンガンするの? ジンジンするの? シクシクするの?」と聞いても、それが意味する状態がわからない。
ちなみに、韓国ではキラキラ光る擬音語はパンチャパンチャと表現します。全然違って面白い。ドキドキはドゥグンドゥグン。これは近い。
次に難しいのは発音です。日本人が発音できない韓国語があることはいったん棚に上げて(笑)、韓国の人は、韓国語にはないザジズゼゾやツの音が苦手です。
「ありがとうごじゃいます」と、どんな強面でも、長身のイケメン俳優でも、「かわいいいい!」ってなるポイント。「もう、そのままでいいよ」と思わせるのがずるい(笑)。
インスタの動画を見ていると、韓国人男性が、「じゅうじゅうしい、これどういう意味? あちゅかましいとどう違うの? どっちもぼく言えないじゃん。だからもう、ちゅかわない」と言っていて、かわいくて笑いました。
いまさら新しい言語なんて習得できるのかと思いながら始めた韓国語の勉強ですが、推し活とともに、言語を学ぶ楽しさを噛みしめています。
わたしの決断物語は韓国ネタが多いなと思っている方も多いかもしれません(それは否定しません 笑)が、実は多国籍なんですよ。アフリカからヨーロッパ、東南アジアまで、たくさんの国の方にご登場いただいているので、ぜひ海外の皆さんの記事も読んでみてくださいね! グローバルメディアを目指しています!(本当かよ)
そして、9月はベトナムの建国80年に合わせて、ベトナム特集です。イベントも開催予定なので、一緒においしいベトナム料理を食べましょう! シンチャオ~。
学んだ語学を仕事に生かす! ベトナム留学のリアル presented by わたしの決断物語
★登壇者★
糸井夏希(いとい・なつき)氏
株式会社Finder 代表取締役
★イベント概要★
・イベント:ベトナム留学のリアル
・日時:9月18日(木)19:00-21:30
・場所:ベトナム料理店 KIM SON QUAN(キム・ソン・クアン)
・住所:東京都文京区湯島3-35-9 白川ビル 1F
・参加人数:10名前後想定
・参加費:5,500円(税込)
★申し込みはこちらから
https://peatix.com/event/4552176
糸井夏希さんの決断物語