浦辻伸一

2年前の2022年に勤務していたハウスメーカーを独立し、ウラツジ建設企画を立ち上げ、軽トラに積載できる⽊製ハウスを開発しました。

未熟児で生まれ体が弱かった私は、外に出かけるよりも家にいることが多かったため、幼少期はガンダムのプラモデル作りや段ボールハウス作りに没頭しました。そんなものづくりに没頭していた小学5年生のある日、顔面神経麻痺を発症。半年の入院期間でもプラモデルに熱中する姿から「プラモデルづくりがうまいやつがいる」と評判になり、入院患者の子どもたちに頼まれて代わりにプラモデルをつくってあげたほどでした。

高校卒業後は建設会社に入社し、現場監督の仕事に従事。公共施設の建設管理を担当しました。24~25年前の建設現場はいまの働き方改革とはまったく違く時代。ハードな仕事でしたがやり始めるとのめり込むタイプだった私はどんどん仕事も任されるようになり、その会社で17年間勤めあげました。その後、自分の仕事の結果が目に見えるような、人の喜ぶ顔が見える仕事がしたいと考えてハウスメーカーに転職。7年ほど勤め無我夢中でお客様のニーズに応えていたところ、やりがいが成果につながり管理職にまで昇進。ようやく次のステップにと考えていた矢先に新型コロナウイルス禍に突入。コロナ禍の対応の中で会社の方針と自分の理想とのギャップが大きく開いてしまいました。人との接触が難しい中、ビジネス系のYouTubeで全力で頑張っている女性経営者に背中を押され、「サラリーマンとしては全力でやり切った。次は自分の力でやってみよう」と独立を決意。2022年4月、ウラツジ建設企画を立ち上げました。

人とのご縁を大切にしてきたこともあり、以前勤めていた人脈を生かしながら、住宅のリフォームや工事の現場監督の仕事などを請け負うようになりました。自宅で仕事をするようになると工事管理の書類が多岐にわたり家中に散乱するなど自宅が荒れ、家庭内でのトラブルが増加。また地元・新潟県は南北に長く、とにかく車での移動が多いなかで仕事が効率よくできないかと思うようになりました。

そこで独立前に自宅の敷地内に小さな書斎を計画していたこと、youtubeにあったモバイルハウスを思い出し、場所も関係なく働ける時代、「動く部屋」があれば便利なのではないかと考え、車1台あれば生活できるような空間、かつ事務所としても使える、軽トラに積載できる木製ハウス「SafariBase(サファリベース)」を開発しました。普通車免許で運転でき、1日からレンタル可能にしたところ、コワーキングスペースからキャンピングカーまで、幅広い用途でご利用いただいています。車1台で生活もできてキッチンカーとしても活用できることから、災害支援にも活用できるのではと考え、実際に2024年の年明けに発生した能登半島地震へボランティアとして参加、現地の活動を通して活用法を探してきました。ゆくゆくは被災地で日常を再現するようなマルシェとしての展開もできればと考えています。今後も多様な働き方、暮らし方の一助となるようサファリベースの認知度拡大に努めていきたいと考えています。

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