『「歩く」ことを仕事にすると決めた』石川絵里　ウォーキング講師

学生時代、世の中は就職氷河期でした。客室乗務員になりたくて、学校にも通いましたが、そもそも航空会社がほとんど新卒を募集していなかった。チャンスを待ちながら、派遣社員として働いたり、エステを学んでみたりしているうちに、26歳になっていました。当時の私は、地に足が付いていなかった。自信もなくなり、年齢を重ねていく焦りもありました。

ただ、子どもの頃からクラシックバレエを習っていたおかげで、姿勢だけは褒められていたんです。ウォーキングなら、唯一、自分に自信が持てることを仕事にして、人に喜んでもらえるかもしれない！　と思いました。ウォーキング講師の仕事があると知り、すぐにレッスンに申し込み、その日のうちに「講師になろう！」と決意。半年間のウォーキング講師養成講座を経て、ウォーキング講師になりました。

歩くと、必ず前に進みます。ウォーキング講師になったあの日から、私の人生もまた前に進み始めました。背筋を伸ばし、目線を上げて歩くだけで、人生は開けていく。歩き方を変えると、人生が変わります。歩き方のテクニックだけでなく、どう生きるかを伝えたくて、私はこの仕事をしています。若い人たちだけでなく、高齢化が進む日本で、最期の瞬間まで自分の足で歩ける人を増やすことも、私の目標です。