栗田梓

2019年、プラーナズトリーニコーチングアカデミーを立ち上げました。

家族経営の国内メーカーに、20代後半で役員として入社しました。そんな中、2006年に結婚。31歳で出産し、産後6カ月で離婚。シングルマザーとして家族に求められる生き方をしなければならないと思い込んでいました。そう言えばかっこよく聞こえるかもしれませんが、本当は優柔不断で自分で何かを決めるのが怖い、他人軸で生きてきた人間でした。読者モデルや会社役員の経験からも「強い女性」と見られがちですが、実は「強い女性」を期待されたのでそれに応えていたにすぎません。それに、誰かに言われたことを聞いていれば、その誰かのせいにできる。どこかでそんな気持ちがあったのだと思います。

転機となったのは、娘が幼稚園で1人のクラスメイトから嫌がらせを受けていたことを知ったこと。NOと言えない娘の姿に「このままだと、娘も私のような負け犬人生になってしまうかもしれない」という危機感を抱き、「変わりたい」と強く思いました。

手始めにメディカルハーブやアロマセラピーの勉強を始めてみると、少しずつ自分で判断できるようになり、自分で判断ができるようになると、自分の人生を作れているという実感も抱けるようになりました。もっと勉強したいと考え、35歳で渡米。語学学校やコミュニティカレッジに通っているうちに、大学のカウンセラーと知り合うように。カリフォルニアではメンタル面でのサポートも重視しており、大学のオリエンテーションにも博士号を持ったカウンセラーが相談に乗ってくれるほどその体制が確立されています。

「なんで自分にカウンセリングが必要だと思うの?」とカウンセラーに問われ、「目標を見失ったからです」と答えた途端、涙がこぼれてきました。ここでカウンセリングに興味を持った私は、南カリフォルニアに引っ越し、大学で心理学の勉強を開始。すると、自分はいつも他人や環境のせいにしてきて、結局自分で何かをしようとはしてこなかったんだと改めて気が付きました。

敷かれたレールを歩く人生は嫌でしたが、自律できない自分はもっと嫌でした。できる女を装ってきたし、経営者の娘というだけで叩かれる人生の中で、「できて当たり前」「できる顔をしてないとクビを取られる」とさえ思っていましたが、「自分の人生を生きよう!」と決意。40代で帰国後、名ばかりだった役員も辞任しました。心理療法の勉強に精を出して理解を深め、コーチングの各種資格も取得。2019年に起業しました。とりわけ全米NLP(Neuro Linguistic Programming:神経言語プログラミング)の資格を取得したことは自身の中でもエポックメイキングとなり、これまで探していた答えをそこに見つけることができました。トレーナー資格を取得し、協会のメソッドを取り入れたオリジナルの実現力最速メソッドも確立。これまで30~40代の女性を中心に2000~3000セッション実施し、人々の悩みに寄り添ってきました。

これからはメンタルコーチの育成にも力を入れ、最終的には一般社団法人にもしていきたい。自分の特性を知ってうまく自身を活用していくことで、自己認識が変わってより生きやすくなります。自分の人生を生きられるということを多くの方に知っていただくことはできればと思っています。


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