Ritsukoショート

私の仕事は日本語教師です。福岡の日本語学校でネパールや東南アジアから来た留学生に日本語を教えています。2020年春、コロナ禍で留学生の受け入れがストップしました。このままずっと学生が入学してこなければ、仕事がなくなってしまう……。そんな危機感を覚えた当時、私は家賃73000円のマンションで1人暮らしをしていました。41歳、独身。実家は弟が継ぐと決まっています。このまま賃貸に住み続けても、何も残らない。だったら、老後のためにも自分の家を確保しておきたい。そう考えて、マンションの購入を決めました。

私の収入を聞き、あからさまに態度が変わった不動産会社もありました。いくつか回ったなかで、一番対応の良かった会社で決めたのが、築23年、4LDKの中古マンション。リノベーション費用込みで、2000万円強の住宅ローンを借りました。返済は月々78000円の35年間。完済は76歳です。

新型コロナがなければ、おそらく考えることもなかったであろう今回の決断。大きな借金を抱えたので、気持ちが明るいわけではありません。でも、もし家賃が払えなくなったら売ればいい。毎月返済していき、塵も積もってある年齢になったときに、家があることが良かった、と思うのではないかと考えています。仕事がなくなっても、家があるというのは大きな安心感になるはず。

フルリノベーションした部屋で、特に気に入っているのは、壁紙と調理のしやすさにこだわったキッチン。仕事部屋にはホワイトボードを置き、家でオンライン授業ができるようになりました。この家は私の癒しです。大きな決断により、ストレスフリーな空間を手に入れました。

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