平塚さとみ

2009年、偶然が重なり、スリランカにまつわる仕事をすると決めました。

幼稚園の頃に客室乗務員が主役のドラマ『アテンションプリーズ!』を見たことがきっかけで客室乗務員になりたい! と思ったわたし。大手航空会社で採用していた客室乗務員の制服を真似た服装で小学校の入学式に出たほど、その思いは強いものでした。就職はもちろん航空会社へ。8000人の応募者の中で200人しか通らない狭き門でしたが、無事に合格。国内線の客室乗務員として勤務するかたわら、プライベートでは、大学のときに知り合ったスキーサークルの先輩と25歳で結婚。それから育児のために退職し、3人の育児中に、夫の会社で働き始めました。

そんなとき、客室乗務員時代によく通っていた風水師のもとを訪れると、「あなたは45歳になる2009年の夏に会社を作ったほうがいい」と言われ、帰り道に女性起業家の本を1冊購入して帰宅しました。自分には一体どんなことができるのか。考えているうちに、そういえばその2年前、知人を通じてスリランカの宝石鉱山のオーナーと知り合い、宝石を購入したことがあったことを思い出しました。オーナーと仲良くなったわたしは、「僕の石を扱っていいよ」とも言われていたのです。漠然と英語を使う仕事がしたいと考えていたこともあり、自宅に小さなサロンをオープンしました。

ところで、スリランカは占星術国家です。占星術でさまざまなことを決める風習があり、例えば国家運営にまつわることからお正月の日時を決定するに至るまで、すべて占星術師が占い、決定に関与していきます。占星術の結果に基づいて事業を始めるというのも一般的なため、わたしも起業に際して占星術師に占ってもらいました。高校生と小学生の子どもたちのことも占ってもらったのですが、これが次々と当てはまるのです。知り合いの子どもの不登校の原因についても占ってもらい、原因に対応できる宝石を購入したところ、3カ月ほどで学校に通えるようになりました。この経験から「自分の運勢に合わせた宝石を買うこと」の重要性を見出したわたしは、そこからブログとホームページでその魅力について啓もう活動を開始。15年以上、10回以上の渡航の中で、宝石の知識を学んでいきました。

同時に、健康で長生きするための医学や哲学、科学などを総称する言葉として「アーユルヴェーダ」と呼ばれるものがありますが、「バランスが取れたときに人は幸せになる」というアーユルヴェーダの教えについても学び、「本当に必要な人に、最も良いタイミングで宝石を届けること」を第一信条に、1人1人に適した宝石の販売、宝石関連の講座やアーユルヴェーダ病院監修のデトックスハーブティ販売など、さまざまな事業に携わるようになりました。

2023年11月、10年以上にわたってスリランカの文化の啓もうに努めてきた功績が評価され、わたしは外国人ではじめてスリランカの名誉文化大使(Honorary cultural ambassador)に就任しました。スリランカの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいし、日本の良い部分もスリランカの人々に知ってもらいたい。日本とスリランカの懸け橋としての役目も務めながら、今後も事業拡大を目指していきます。

(構成/岸のぞみ)

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