ウどんくんショート

22歳のときに、「うどんで生きていく」と決めました。うどん屋で3年修業したあと、2016年にフリーのうどんアーティストとして独立。当時は家賃と車の維持費の両方を支払うお金がなかったので、車上生活をしながら出張うどん打ちを始めました。修業をしてうどん屋を開業する人はたくさんいるけれど、フリーのうどん打ちになる人はいない。音楽に合わせて打つ自分なりのパフォーマンスを確立し、フジロックフェスティバルにも出演しました。

そもそも大学を卒業するまでは、極めて平々凡々な人間でした。しかし、新卒で入社した人材系の会社で殴る蹴るのパワハラに遭い、5カ月で退職。フリーターとして生活する中で、知人にうどんを勧められました。麺類が好きだし日本の歴史が好きなので、「面白そうだな」と思いました。ところが、やってみると、全然うまくできない。その難しさが面白く、どんどんのめり込んでいきました。何より、修業先のお店が自分のことを必要としてくれたことが嬉しかった。

うどんを打ち始めて10年。うどんのためならどんな大変なことでもやってこられたし、痛みすら気持ちよくなる感覚がありました。新しいステージとして、「浅草手打ち塾」を開講し、今はうどんを教えることに力を注いでいます。多くの人にうどんの技術や理論を伝えていきたい。死ぬまでうどんで生きていくと決めています。


小野ウどん Twitter

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