菅原寿敬

私の決断は、ミニ四駆に囲まれる幸せを感じることのできる、模型ショップに転職したことです。

幼い頃は冬でも半袖半ズボンのわんぱく少年で、近所の模型店に寄っては、ミニ四駆を買って友達の家で競争させて遊んでいました。中でも「トライダガー」というミニ四駆が好きでマイマシンとして大切にしていました。別売りのカスタムパーツは豊富なラインナップで、回転数の違うモーターやベアリングを変更するとより速く走ります。友達の家の駐車場やどぶの側溝、空き地などでよく競争したものでした。

高校時代はアルバイトに明け暮れる生活。ファミリーレストランの厨房でハンバーグなどを作る仕事は楽しく、週4日は働いていました。卒業後はスーパーの精肉部門に勤務。タイムセールで実施するメガホンでの声掛けがうまかったらしく、隣の魚屋さんにスカウトされて魚屋に転職しました。しかし水仕事なので手が冷たく、魚の臭いも1日中嗅いでいるのがつらくなってきて、「そもそもお肉のほうが好きだしなぁ」という気持ちになっていました。

その頃プライベートでは、それまでに貯めたお金でHondaのレジェンドというクルマを購入していました。その関係でカー用品店に何度も足を運んでいると、「そんなに好きならうちで働かない?」と声を掛けられ、仙台市内のカー用品店での勤務を開始。タイヤ担当になるとタイヤメーカー主催の販売コンクールに参加し、東日本エリアのスタッドレスタイヤ販売競争部門で表彰されるに至りました。同時に「やり切った感」と「燃え尽き感」が強くなり、3年ほど勤務したのち退職することに。

23歳の春、退職したはいいものの「次に何がしたい」というものが浮かんできませんでした。

やりたいこと、やりたかったことって何だろう?

考えるうちに、夢中になって遊んでいたものはミニ四駆だったことを思い出しました。模型ショップで働くのもいいなと考えていたものの、なかなか求人サイトに情報が見つかりません。するとついにその年の10~11月頃、タウンワークでホビーショップ「タム・タム仙台店」のオープニングスタッフ募集の求人を見つけました。さっそく応募し、無事採用されることができました。

タム・タムにはプラモデル、カラー工具、ラジコン、鉄道模型、玩具、ミニカーなどの各部門が存在しており、ミニ四駆はラジコン・プラモデルの中の1つのジャンルとして扱われています。最初の配属は鉄道模型で「正直よくわからん」と思いながらのスタートでしたが、自分で買って組み立てたり、鉄道模型を走らせる場所に行って遊んでみたりしながら知識を深め、お客さんとの交流の中でその楽しさ、おもしろ味を学んでいきました。

鉄道、ラジコン部門、ミリタリー部門などを経て、37歳から統括マネージャーとして4店舗30~40人ほどのスタッフとともに店舗の運営に当たっています。何となくフラっと立ち寄った方が新たな趣味に気が付き、人生を豊かにする瞬間に立ち会える。スタッフと「こんなコーナーがあったらおもしろいんじゃないか」「もっと興味を持ってもらえるんじゃないか」と相談しながら形にしたものでお客様に喜んでもらえる。人生を彩る趣味のきっかけを作れていると思うと本当にうれしく、やりがいも感じます。

今後はより視座を高めて、いろんな物事を多角的に見ながらその気付きを共有していくことで店舗全体のレベルアップを図っていけたらと思っています。


株式会社タム・タム ホームぺージ

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