こめださんショート

夫と会話を重ね、私が仕事をして夫が主夫になる、という私たちにとってのベストな夫婦関係を選択しました。

幼少期から両親の不仲に悩まされ、結婚や家族というものの良さを感じることなく大人になりました。親子間で愛着形成をされずに育ったことで、極度の依存体質にもなり、そんな自分が幸せな結婚ができるなんて、想像すらしていなかったのです。

恋活をして出会った現在の夫は、それまで付き合った人とはまったく違うタイプで、初対面では「恋愛対象ではないな」と感じました。でも、友達として交流しているうちに、「温かい人だな」と思うようになり、告白されたことをきっかけに、交際がスタート。ただ、私はうまく愛情を受け取ったり表現したりできず、彼が私との結婚を意識するのに時間がかかってしまった。私は関係構築のために努力を重ねました。
そうして6年ほどの交際を経て結婚し、始まった夫婦生活はとても幸せなものでした。
「私もこんな幸せな結婚ができた!」
その事実に感動し、2015年に恋活・婚活アドバイザーとして起業しました。

しかしその後、第1子を出産したときから、仕事と育児の両立に悩むことになります。もっと仕事に集中したいのに、できないもどかしさで、イライラしてしまう。「私は育児に向いていない」と自分を追い詰めてしまう日々。産後うつも重なって、心身の限界を感じた私は思い切って夫に提案しました。
「あなたが主夫になってくれない?」
当時、誰もが知る企業で安定した収入を得て、役職にも就いていた夫は、最初はすごく戸惑っていました。ただ、彼自身も、子どもが大好きで、一緒に過ごしたいという思いがあったようです。ふたりで会話を重ね、最終的に私が仕事をして彼が主夫になることを決めました。

決断から2年。夫は6歳と3歳の子どもの育児をしながら、私の仕事を手伝ってくれています。掃除・洗濯・育児の80%、料理は100%を夫が担当している状況です。夫は仕事を辞めるまであまり料理経験はなかったのですが、レシピ動画を見ながらこだわりを発揮し、いまや私よりも圧倒的においしいご飯を作ります(笑)。

自分から提案したものの、彼が主夫になることに最初は重荷を感じていました。でも「自分が一家の大黒柱だ」なんて言葉を使うとすごく不安になるので、「いま私が仕事を楽しむ。それで生活ができているからよし」と考えるようにしています。

私は基本的に家で仕事をするので、子どもたちとのコミュニケーションが不足することはありません。仕事に集中できること、1人で育児に向き合わなくて良くなったことで精神的にかなりラクになりました。何より、毎日大好きな夫と一緒にランチができることが幸せです。夫も「いまが一番、幸福度が高い」と言っています。

この決断にはかなりの勇気が必要でしたし、反対する人もいました。でも、幸せの形は人によって違っていいし、ふたりが正解だったらそれでいい。私たちはそう考えています。

心に余裕ができたおかげで、念願の第3子も授かりました。これから先も、話し合いながらふたりにとってベストな選択をしていきたいと思います。

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