『専業主婦から39歳で初就職』藤﨑忍　ドムドムフードサービス社長

「夫を支えるお嫁さん」になることが、子どもの頃からの夢でした。短大を出たあとは政治家の妻として、夫と子どもの衣食住に尽くしてきました。

しかし、39歳で人生が一変。夫が病気になり、私が働かざるを得なくなったのです。社会人経験はゼロ。知り合いの紹介で、SHIBUYA109のブティックで働き始めました。そこではじめてスカルプネイルを着けたり、髪の毛が紫色だったりする女性たちと出会います。ひたむきに働く彼女たちと触れ合ううちに、これまで自分が見てきた世界の狭さを思い知りました。

その後、52歳でドムドムフードサービスの社長になったときは、エクセルもうまく使えませんでした。こんな私にいまがあるのは、自分の可能性にフタをしなかったから。「年齢的に無理」「未経験だからできない」などと考える余裕もなく、ただ夢中でした。

女性の人生は、さまざまなライフイベントに影響されます。変化に直面し、悩んでいるなら、思い切って変化してみてほしい。子どもがほしいなら産んでみればいいんです。子育てで作り上げられる心もあります。仕事への想いがあれば　周囲の力を借りながら仕事を頑張ればいい。自分自身の「やりたい」を止める必要はありません。その時々の自分の心に正直に生きていくのがいちばんです。