佐賀県の田舎町で、共働きの両親のもと3兄弟の末っ子として育ちました。父と過ごした記憶は少なく、母は農業協同組合の正社員として働きながらの子育てでいつも多忙。「もう少し休んでほしい」と子どもながらに思ったことを覚えています。
高校卒業後は慶應義塾大学へ。その後、慶應義塾大学大学院に進学し、理工学研究科で物理情報工学を研究。人間の行動を科学するゲーム理論などの研究に励み、卒業後はアクセンチュアに入社。2012年に大学時代に知り合った女性と結婚し、「後悔しない生き方がしたい」と2013年にアクセンチュアを退職。妻と2人で世界一周旅行に出かけ、34カ国を回りました。
帰国後は「自分の力で事業を立ち上げたい」という思いから2016年にコンサルティング会社ミチノバを設立。アクセンチュア時代のクライアントを中心に、主に小売業のコンサルティングを手がけました。2019年にAoyamaLab(アオヤマラボ)というEコマースの会社を共同創業し3年ほど代表を務めた後2023年7月に退任。その間、プライベートでは3人の子どもを授かりました。長女が1~2歳のときは仕事が忙しく家事・育児は妻に任せきりでしたが、2人目のときは少し時間にゆとりができ、一緒にいればいるほどかわいいと思うように。3人目は仕事をリモート中心に切り替えられたことから、「子どもと過ごすこの時間を大切にしたい」と思えるようになりました。
一方、仕事面ではコンサルティングは一生続けられる仕事ではない、事業会社をやりたいという思いも強い中で、これからどうするかを考えたとき、当時生活の中心であった「子どもとの時間」をもっとより良くできるような事業がしたい、と思い始めました。
――将来の子どもたちの負担を減らし、大切な子どもたち世代が明るい未来を描けるような事業がしたい。
娘を保育園に送り迎えする中で、毎日の着替えや週末のお昼寝シーツなど荷物の負担が大きいことに課題を感じ、この負担を代行する事業の検討を2023年10月頃から開始。複数の保育園経営者や保育士さん、ベンチャーキャピタリスト等、さまざまな人からもお話を聞き、いろいろなアンケートも実施。この事業は、ニーズは間違いなくある一方でオペレーションがとても難しい事業であることも認識し、リスクを取って踏み切るかどうかとても悩みました。
その中で、「若い世代の多くの“事業を作れる人”にとって子育て事業は遠い領域、逆に子育てに課題を感じている人の中で“事業を作れる人”は少ないのではないか。自分はその二軸に当てはまる稀有な存在なのではないか」と考え、コドミーの設立を決断。2024年3月から保育園で着替えた洋服を回収・洗濯して翌日には保育園にお届けするサービス「手ぶらで登園 コドミーランドリー」というサブスクリプションサービスを開始しました。
今後はコドミーランドリーを都内から首都圏、そして全国へと拡大し、2025年4月には100カ所、2026年には500カ所に増やしていきたい。それ以外にも子育ての負担を減らすサービスとして、習いごとの送り迎えや親が不在の際の子どもの居場所づくりなど、さまざまな方向で事業を展開していけたらいいなと思っています。子育てに苦労する必要はありません。子育ての負担を減らし、子育てを楽しむお手伝いがしていけたらと思います。
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