島林さんショート

2022年10月に宅地建物取引士(宅建)の資格を取得、58歳での決断でした。

新卒で入社したリクルートを44歳で退職。東京・日本橋でダイニングバーを開業しました。直接お客様の顔が見える飲食業は楽しかったのですが、コロナ禍となり休業や時短営業を繰り返すことに。センプレは飲み会の2軒目として利用するお客さまが多かったため、時短要請中は営業できないも同然です。この先、緊急事態が明けても、夜遅くまで飲む人は減ってしまうだろう、と考えました。

飲食業は不安定なため、もう1つビジネスの柱を持っておきたい。
そう考えて思い浮かんだのが、宅建でした。宅建の資格があれば、不動産の賃貸や売買の際の重要事項説明の業務ができるようになります。リクルート時代は10年間、『住宅情報(現SUUMO)』の部署で働いていたので、不動産には多少の知識はあります。また、大学は法学部だったので、難しい法律の文章にも馴染みがありました。
『住宅情報』の仕事をしていたときは、若かったこともあり、正直あまり不動産に興味はありませんでした。でも、自分が結婚して子どもが生まれ、家を持ったいまは、住宅の大切さがよくわかります。
58歳という年齢も、資格取得の後押しとなりました。飲食業は立ち仕事で夜も遅い。不動産業であれば、この先、長く携わることができるだろうと考えたのです。

実は、『住宅情報』の時代に、宅建を7年連続申し込み続けた過去があります。周囲の雰囲気に押されて申し込むのですが、「不動産広告の制作に宅建は必要ないよな」と思い直し、毎回受験に至らず。結果、7000円の受験料を7回分、4万9000円を散財してしまいました。
さらに、数年前にはお店の常連さんに誘われ、8回目の申し込み。ここでもまた「飲食店に宅建は必要ないよな」と7000円を無駄にします。

2021年、今度こそと参考書を1冊と過去問題集を3冊買い込んで勉強を始めました。4択の選択問題ですが、ひっかけ問題が多い。12月に受験までこぎ着けたものの、父が他界し勉強不足のまま受験することになってしまったため、この年は50点満点中29点で不合格。合格ラインは35点前後です。
そして迎えた2022年、10度目の正直でようやく合格することができました。

2023年中には不動産業の会社を立ち上げる予定です。飲食店は続けながら、まずは副業としてのスタート。何より、取得した資格をきちんとビジネスにして、これまでに散財した受験料を取り戻したいと思います(笑)。

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