西 真央

2年間の不妊治療の末、凍結胚移植による体外受精をすることを決断しました。

「若くして子どもが生みたい!」と思っていた私。22歳で結婚し、すぐに妊活を始めました。ところがなかなか授かりません。調べてみると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であることが判明。女性ホルモンが少なく、体毛が濃くなる、胸が大きくなりづらいといった男性化しやすい病気で、平たく言えば「妊娠しづらい」ということでした。とてもショックでしたが、原因がわかれば対処のしようもある、と前向きにとらえ、24歳から不妊治療を開始。タイミング療法や飲み薬、注射での排卵コントロールなど2年間にわたっていろいろと試しましたが、やはりなかなかうまくいきませんでした。

30歳までには子どもがほしいと思っていた私には、20代後半に差し掛かるにつれて「子どもを授かることができないのではないか」という不安を大きくしていきました。不妊治療を始めて3年目、ついに私は凍結胚移植による体外受精を決断しました。

――チャンスがあるなら、やってみよう。

当時はまだ金額が高く、一度の採卵には50万円ほどの金額が必要でした。ところがいざ採卵してみると移植できない卵子であることがわかり、意気消沈。クリニックで歯を食いしばって泣くのをこらえた日もありました。しかし夫からの「お金のことは気にせず何度でも挑戦しよう」という言葉に励まされ、1年ほどかけて何度か採卵を試みた結果、何とか2つの凍結胚保存に成功。1週間後、無事に着床したことを知ったときは本当にうれしくて、すぐにでも報告しよう! と夫に一報。「おめでとう!! これからがんばろう!!」と言ってくれたときは本当にほっとしました。

2022年、出産は陣痛が始まってからなんと27時間という長丁場となり、無痛分娩を希望していたにもかかわらず麻酔を使えない状況となってしまいました。無事に産めたときには安堵はもちろん、言葉に言い表せない喜びで胸がいっぱいになりました。

30歳で出産し、いまは子どもと3人暮らし。生成AIを使ったサービス開発会社の代表を務めながらの育児はもちろん一筋縄ではいきませんが、子どもがかわいすぎて育児ノイローゼとは無縁です。結果的に30代になってから授かった子どもでしたが、おかげで育児に関してあまり焦ることも動じることもなく、良かったのかもしれません。

もしいつか子どもを産みたいと思っている方がいたら、自分の体質だけは先に調べておくのが良いかもしれません。女性も男性も自分の体質を知ることで、未来の可能性を広げてもらえたらと思います。


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