しじみちゃんショート

2021年、交際中だったパートナーとの間に子どもを授かり、出産しました。
結婚・出産したことがわかったら、毎回イベントに来てくださるような、コアなファンがいなくなってしまうんじゃないか……。そう思うと怖くて、ずっと言えませんでした。でも、隠していたくない。勇気を出して報告しよう、と決めました。突然のことで、驚かせてしまってごめんなさい。

20代から始めた演技の仕事。細々とではありましたが、舞台や映像で役者の仕事ができる毎日は、とても楽しいものでした。でも、コロナ禍になって、舞台はすべて中止に。そんな矢先、妊娠が発覚しました。
正直、ものすごく悩みました。出産すると、いままでのようには俳優の活動ができなくなる。実家は島根で、近くに助けてくれる人もいない。私に、子どもを育てられるのだろうか、という不安もありました。
一時は、子どもを諦めようと考えたことさえあります。でも、できなかった。

つらいつわりを乗り越え、無事に出産。生まれたての子どもを見た瞬間は、感動で震えが止まりませんでした。全身ガクガクして、「止まれー!」と自分に言い聞かせているのに止まらない。このときの感覚は、何とも言い表すことのできないものでした。

はじめての子育ては、大変なことも多い。言葉の通じない赤ちゃんとの生活は、孤独でもあります。でも、とにかくかわいいんです。いつも私を全力で求めてくれる、尊い存在。いまは、子どものいない人生は考えられません。この子がいるから毎日生きていける。そう思っています。

子どもを産んで周囲のあたたかさにも気づくことができました。妊娠中、何人もの人が電車で席を譲ってくれた。そんなささやかな優しさが嬉しく、譲られた席でいつも泣いていました。ベビーカーを押していると、助けてくれたり、話しかけたりする人もいます。1人のときにはなかった、人々とのつながりができたことは、楽しい変化でした。

いまは子どもが一番なので、役者の仕事はあまりできていません。でも、母になったことでまた、自分の演技も変わってくるのでは、とわくわくする気持ちもあります。母親の役もやってみたいですね。
どうか、母になった私のことも、これまでと変わらず応援してくださると嬉しいです。

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