あつみゆりか

マイナビウエディングの初代編集長を辞し、2015年12月にブライダル業界のeラーニングサービスを手掛けるSoZo株式会社を立ち上げました。

大学卒業後は当時人材会社で大手ベンチャーとされていた会社の子会社で、物流とECサイト制作を手掛ける会社に営業職として入社しました。ところが入社2カ月後にITバブルが崩壊。社員200人の会社で100人が1カ月もたたないうちにリストラになりました。営業成績トップをキープしていたわたしはリストラを免れたものの、先輩社員が次々といなくなってしまう不安感から半年で7キロも痩せるほど心身ともにまいってしまいました。この会社で知り合った夫と授かり婚をしたわたしは、このまま働きながら子どもを育てるのは難しいと感じ、産休・育休を取得。仕事の現場から離れました。

育休中に2人目の子どもを出産した頃、夫は引っ越しの比較サイトや留学などの比較サイトを手掛けるITベンチャーを起業しました。わたしはその選択を迷わず後押ししました。友人たちからは後に「生活が不安定になるのではないかと不安に思うことはなかったの?」と聞かれましたが、知り合った1社目の時代から事業を成長させていく夫の姿に、「これほどすごい人はいない!」と確信していたため、不安はまったくありませんでした。そして次女が1歳になったタイミングの2008年、夫の会社に就職することを決めたのです。

はじめて責任者として立ち上げた事業が富裕層向けにウエディングの情報を提供するWEBメディア「大人の上質ウエディングCRAS(クラス)」です。当初は関東を中心に年間6000件の集客を支える存在として上質なホテルや式場から支持を得ていました。しかし、2011年の東日本大震災を経てマーケット全体が激変。安価な結婚プランが支持されるようになり、Googleなどで上質なウエディング会場を探す検索ボリュームも低下しました。結果、株式会社マイナビに事業売却することとなり、わたしはスタッフとともに移籍することとなります。その後、マイナビウエディングの初代編集長に就任し、立ち上げ間もないメディアを何とか成長させようと奮闘しました。徹底したマーケティング分析により式場のコピーライティングなどを見直したことで、3年で事業を30倍に拡大することができました。

順風満帆にビジネスを成長させていた一方で、「マーケティングの概念が弱い」、「女性役員が少ない」といったブライダル業界に渦巻くさまざまな課題が目に付くようになります。広告費は売り上げの10%と高く、メディア営業に依存している業界構造を疑問視。マーケティングの概念をブライダル業界に浸透させていくことでこれらを解決できるのではないかと考え、2015年、38歳のときに現在のSoZo株式会社を立ち上げました。

2020年に入るとコロナ禍の影響で結婚式は軒並み延期に。ブライダル業界の売上は前年比8~9割減という厳しい状況となり、当社も大きく影響を受けました。そこで、2022年に新規事業としてSDGsのビジネスラーニング事業を開始し、2024年12月には自身の成長術を詰め込んだ初の著書『今度こそなりたい自分になる! 1冊まるごと「完コピ」読書術』(PHP研究所)を発売。2025年で起業10周年を迎えます。

弊社のキャッチコピーは「人の学びを科学する」。成長したいと考える多くのビジネスパーソンに学ぶ仕組みや方法を提供していく、これをミッションにこれからも事業を展開していけたらと思います。


SoZo株式会社 ホームページ
著書 『今度こそなりたい自分になる!1冊まるごと「完コピ」読書術』(あつみゆりか著/PHP研究所)


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