三浦孔美

2023年12月、32歳のときに芸能活動を辞め、会社員に転身することを決めました。

小学生のときにAM文化放送で流れていたアニメ「NARUTO」のラジオ番組を聞いて「声優」という仕事があることを知った私は、森久保祥太郎さんや石田彰さんの声の演技に心惹かれ、声優を目指したいと考えるようになりました。

地元・秋田県の高校に進学し演劇部に所属。卒業後は上京して声優の専門学校へ進学しました。発声練習や滑舌レーニング、マイクワーク、演技練習などのさまざまな訓練をする中で、「自分は舞台に立つ方が向いているかもしれない」と感じるように。専門学校卒業後、所属することになった芸能プロダクションでお芝居の勉強をしながら「HONEY TRAP」という14人組の地下アイドルグループに所属し、川崎を拠点にライブ活動を行いました。

アイドルが接客する飲食店で地元のお客さんをつかみながら、「SHOWROOM(ショールーム)」というライブ配信アプリで配信活動をしたり、ライブハウスでワンマンライブを実施したり。ステージに立って歌ったり踊ったりして表現することが好きだった私にとってアイドル活動そのものは楽しく、自分の活動1つひとつ喜んでくれるファンの方々には本当に救われましたが、地下アイドルは完全歩合制。思うようには稼げず、イベント開催時の集客にも苦労しました。

24歳から4年間活動を続けた末に、アイドル活動を卒業。芸能活動は続けたいとモデルの仕事や映像の仕事、舞台やMCのお仕事も続けていましたが、2020年にコロナ禍に突入。ほとんどの芸能活動は休止せざるを得ず、体調面や金銭面を鑑みても、芸能活動を続けていくことが厳しいと判断し、2023年8月にオンライン教育プラットフォーム事業などを手掛ける現在の職場・株式会社AHGSにアルバイトとして入社しました。

経験したことがない新しいことで、体調のことも考えて環境がよくハードではない職場、というのが当時の選択基準でしたが、実際に働いてみると一緒に働く人たちの人柄がとてもよく、個の挑戦を後押ししてくれる気風にとても好感を持ったことから、この会社でしっかり働きたい! と決意。2023年12月に改めて社員として働き始めました。配属されたのは経理や総務、労務を管轄している部署でしたが、社内外への広報業務も多い。これまで広報というポジションの人がいなかったこともあり、広報に比重を置ける担当として抜擢いただくことができました。

パソコンに向かって業務すること自体、私の人生にはなかった新鮮な日々。パソコンの使い方やビジネスマナーなど、1つひとつ学びながらの怒涛の半年です。走り出したばかりでまだまだ修業中の身ではありますが、この新しい挑戦に全力で取り組んでいきたいと思います。

(構成/岸のぞみ)
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