たがみさんショート

2021年、共働きで子育てをするパパ・ママが少しでも時間に余裕を持てるようにと考え、完全手作りの冷凍離乳食を作りました。

東京の短大を卒業後、地元香川県のテレビ局に入社。2年半働き、結婚を機に再び東京へ。27歳で長男を出産してからは専業主婦になり、2人の子どもを育てました。 結婚するまで包丁さえ握ったことのなかった私ですが、家族のご飯を作るようになってからは、食に対する関心が高まっていきました。さらに、夫の転勤でインドネシアに駐在した際に日本との食生活の違いを目の当たりにして、栄養バランスの良さや、旬の素材をいただく日本の食文化の素晴らしさに改めて気が付きます。食の大事さを実感したことで、自分に何かできることはないだろうかと考えるようになりました。

帰国後、料理のベースとなる「調味料」に注目し、自宅で手作り調味料のワークショップを開いたところ、口コミで人気に。東京・目黒区に物件を構えて「アトリエmom’s」を開き、飲食営業許可も取得して本格的に料理をビジネスにしていこうと思った矢先、コロナ禍に突入。対面でのワークショップができなくなりました。
そんなときに、以前同じ職場で働いていた友人とたまたま会う機会がありました。フルタイムで仕事をしながら育児に追われていて、自分の時間がまったく持てていない。彼女の現状を聞いて、「これは大変だな……」と思ったんです。
私は専業主婦だったので、毎日家事をメインに過ごしていました。でも、いまは多くの女性が働きながら、家事も育児もこなしています。
「ママたち、大丈夫かな? 子どもたちに食事を作るの、大変だろうな」と、おせっかい心がムクムクと湧き上がってきました。
赤ちゃんには、ちゃんとした離乳食を食べてほしい。でも、忙しいママに毎日手作りしてほしいとは言えない。だったら、私が作ろう!

まずはニーズがあるかどうかを調べるため、家事代行サービスに登録して働いてみると、多くのご家庭から離乳食の作り置きを頼まれました。
「これはいける!」と確信し、2021年に冷凍離乳食の販売を始めました。

mom’sの離乳食は完全手作りです。フードプロセッサーなどの機械は一切使わず、具材はすべて人の手で切っています。メニューは管理栄養士と相談をしながら決めており、季節ごとに旬の食材を使うので、600種類ほどあります。インターネットショップのBASE(ベイス)を通して、全国に配送しています。

完全手作りの離乳食なら、ママたちも罪悪感を抱かずにすみます。また、「せっかく作ったのに子どもが食べてくれない」というストレスからも解放される。任せられるところは人に任せて、少しでも時間の余裕を持ってもらいたい。そう願いながら、毎日心を込めて作っています。

3年目に突入し、いまはmom’sの思いに共感してくださった、天然調味料製造のアリアケジャパン株式会社とコラボレーション商品の開発を進めています。このプロジェクトが実現すれば、より多くのパパ・ママを応援できるようになります。
「自分が人生を懸けて取り組むべきものはこれだったんだ!」
そんな思いを、日に日に強くしています。

(構成/尾越まり恵)

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