渡辺和子

65歳のとき、社長からお声がけいただいてパート社員から契約社員になることを決めました。

昔からものづくりに興味があったわたし。仕事は製造業を選び、長く品質管理や検査の仕事に従事してきました。25年間正社員として働いたのち、60歳で定年退職。嘱託社員として継続し、各製造現場を回って指導や教育に携わっていました。それも65歳で終了し、数カ月の休暇を経て、再びパートで働き始めようと思って見つけたのが電線加工や製造を担う東神電工という会社でした。同じ製造業でこれまで培ってきた経験も生かせると考えて入社を決意。ところが3カ月働いたところで社長と常務から「契約社員として働かないか」とお話をいただきました。

試用期間終了のタイミングの面談で契約社員への打診があるとは思わず驚きましたが、3カ月間の仕事ぶりを評価してくれたことが何よりうれしかったですし、「自分が力になるならば」と引き受けることを決めました。65歳のときのことです。話を聞く中で所属していた部署のマネジメントの必要性も感じていましたし、自分のこれまでの経験も生かせる。何より、自分のことよりも従業員やその家族、会社や社会の幸せについて本気で考えて実現しようとしている社長の人柄に惹かれて、がんばってみよう、と決意しました。

25年というキャリアがある中で教育係や相談役として各部署を回っていた前職とは異なり、社歴3カ月のパートから突然契約社員となって主任職を拝命したこともあり、当初はコミュニケーションに悩むこともありました。30代の社員から80代のパート社員まで年代も社歴もさまざまいる中で、なかなか思うように意図が伝わらないこともありましたが、言葉の選び方、説明の順序などを工夫し、なるべくゆっくりと丁寧に説明するよう心がけることで少しずつ改善していくことができました。

あれから2年。会社はいま変革期にあり、ルールやオペレーションも日夜変化していくのでチームメンバーに伝えてサポートしていくのに苦労することもありますが、まだまだスキルアップしないといけないと思うとともに、まだまだがんばれる、スキルアップできることがある! と思えるようにもなってきました。

会社が潤えば自分も潤う。教養も知識も、細かいことも全部伝えていくことで、みんなに育っていってほしい。自分を踏み台にして部下が育ってくれたら本望です。東神電工は飛躍の途中にある会社で痛みもありますが、達成感もあり、これから伸びていく明るい未来が見えていると感じます。ここでもう少し、ステップアップしていけたらいいなと思っています。

(構成/岸のぞみ)

東神電工株式会社 ホームページ

おすすめの記事