日向亮介

2022年3月、親会社の経営企画部での仕事はそのまま兼務しつつ、買収したウィズテックの社長にも就任しました。

もともと人見知りな性格のため、特段営業職が好きだったわけではありません。しかし、いろんな人と出会って視野や価値観を吸収できることにやりがいや魅力を感じ、地元静岡県富士市から近い建設システムという企業に入社、自社開発のソフトを販売する営業職に従事しました。その後、プロモーション部門やブランディング推進部を経て新規事業部に異動。入社時に130人ほどいた社員はこの時点で300人ほどまでに膨れ上がり、創業社長の熱意でかじ取りをしてきた組織もそろそろ事業承継の時期を迎えていました。私はそこで、創業者 が日々語っていたこと、その背景をパワーポイント130枚ほどのスライドにまとめて、世代交代をしたあとも創業者の思いが途切れないようドキュメント化し、社内に展開。経営企画部を立ち上げて社史の制作や30周年に向けたリブランディング、ビジョンの明文化やロゴの刷新などを手掛けていきました。

そんな中、エンジニア人材の確保のため、エンジニア派遣事業を手掛けるウィズテックのM&Aが決定。自社初となる買収案件ということもあり、経営企画部としてこの買収に関わり、何とかバイアウト成立まで持っていくことができました。

ところが買収後、ウィズテックでは続々と社員が退職。24人いたエンジニア人材はすぐに半分に、そして最終的には3人にまで激減。事業は立ち行かなくなり、社員への給与も支払えなくなったことから、ウィズテックの社長は退任、建設システムから新社長を迎えることとなりました。

白羽の矢が立ったのは私。当初は正直この任命に戸惑いましたが 、良くも悪くもウィズテックが可能性にあふれた企業であることは感じており、もともと経営に携わってみたいという気持ちが強かったことから社長就任を承諾。社員全員へのヒヤリングを実施し、現場仕事が多いエンジニアのために月に一度はウィズテックという会社について考えるグループワークをオンラインで開催するなど、社員研修も始めました。100種類近くの認定資格を設けて、資格取得者には資格費用の補助を、難易度の高い資格には資格手当を別途支給するなど、福利厚生や社内体制の見直しにも着手。採用を強化し、ミッション・ビジョン・バリューを策定、エンジニア派遣事業だけでない、ITパスポート(ITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格)に出てくる用語の動画辞書の作成やエクセル操作法などのeラーニング事業も立ち上げ、1年半かけて少しずつ改革を進めていきました。

今後ウィズテックをどの会社よりも魅力ある、社員や社員の家族が誇れる会社にしていきたいし、いずれはウィズテック出身の社員に代表権を移していきたい。その土台づくりまでを完遂することが私の使命だと思っています。


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