伊藤沙友里

2011年、日雇い労働者を卒業し、スピリチュアル業で起業することを決めました。

昔から夢を持つことがなかった私。働くことは生活のためにしなければいけない大変なこと、仕事は我慢してやるものだと思っていた私は、大学卒業後は「とにかく楽して働きたい!」と思っていました。アルバイトと同じような仕事ができるなら比較的楽なのではないか?という理由から大手レストランチェーンに入社。ところがもちろん楽な仕事なんてあるわけもなく、8時出勤で25時帰宅、サービス残業は当たり前という厳しい世界を目の当たりにして半年で退職しました。

その後、特殊印刷工場へ転職すると、座ってできる生産管理の仕事は性に合っていたのかやりがいもあり、楽しく働くうちに派遣社員から正社員として働ける可能性も見えてきました。ところが2009年のリーマンショックで正社員の話は白紙撤回。勤務日数も徐々に減らされ、ある日、派遣会社の担当者が来て「申し訳ないけれど今月いっぱいで契約終了となります」と言われました。いわゆる派遣切りです。

仕方なく行ったハローワークは長蛇の列で、朝から並んでようやく15時すぎに担当者と話ができたかと思えば「ご紹介できる仕事はありません」という厳しい回答に打ちのめされました。仕方なく、日雇いで自動車部品工場に勤めることになった私は、おじさんたちとともにバスに乗せられ、郊外の工場で働きました。この時、日給7500円、3万円のアパートにはお風呂がありませんでした。

――世の中、なめてた! 働き方を変えないとやばい!

そんなとき何となく立ち寄ったブックオフで「お金に愛される本」という書籍に出会いました。そこには好きなことをやるとお金に愛されるとあり、私は昔からスピリチュアルや心理学が好きだったことから、これを仕事にしようと思い立ちました。昼はパチンコ屋、夜はスナックで働きながら、心理学講座などに通って勉強をスタート。

2年ほどの準備期間を経て、2011年に結婚とともに起業。事務のパートタイマーとして働きながら扶養内で働き始めました。具体的にはその人とのセッションを通じて必要なアドバイスしていく仕事で集客はアメブロで行いましたが、2年半で年収5000円という厳しい状況が続きました。

この時、世の中の情報収集法がミクシィからアメブロ、アメブロからフェイスブックへと移行しているのを感じていた私は、マーケティングのスクールにも通ってノウハウを学び、フェイスブックを使って集客をすることを考えました。するとこれまで学んできた販売心理学やパブリックスピーキングのスキルも生かすことができ、1投稿あたり2000~3000いいねがつくように。これに伴って年商も2000~3000万円ほどに急上昇。

同業者から、集客方法を教えてほしいといわれて教えているうちに、いつのまにかスピリチュアル業はフェイドアウトし、2020年にライフワーク起業アカデミーを設立。現在は主にさまざまな起業家の皆さんにマーケティングノウハウをお伝えする仕事をしています。

仕事にも働くことにも興味がなかった私でも、こんなふうに人生を好転させることができた。自分には関係ないと思わず、誰でも輝けるということを伝えていきたいと思います。


伊藤さゆり ライフワーク起業トレーナー Instagram



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