野邊 祥一朗

一生関われることを仕事にしたいと考え「健康」をテーマに起業し、「娘のアトピーを解決したい」という思いから敏感肌用のバスソルトを開発しました。

もともとランニングや筋トレ、山登りが好きだったことから、健康への関心は人一倍ありました。大学卒業後はWEB制作会社の役員となり、その後、子会社のシステム開発会社で経営に携わっていました。ところが朝方までの付き合いも多い激務が続き、「この働き方をこのまま続けていくことは難しい」と考えるように。EC業界の伸びしろにも疑念を持ち始めていたことから2018年に独立し、兼ねてより興味のあった「健康」をテーマに、新たに事業を開始することを決めました。

プライベートでは結婚して子どもが生まれましたが、娘はひどいアトピーで泣きじゃくる日々。保湿剤の付いた手をなめてしまったり、肌によくないものを触ってしまったりと、幼い赤ちゃんの世話をする妻にも疲弊の色がにじんでいました。専門家のアドバイスを受けたり専門薬を使ったりしても、症状は一進一退。ステロイドは使い続けると将来的に肌が少し赤黒くなるのではという懸念もあり、赤ちゃんが間違って口に含んでしまっても問題がないような天然素材で皮膚の症状を改善できないか、と考えるようになりました。

敏感肌は保湿ケアが重要となりますが、共働きの忙しい親世代にとって、入浴後の子どもの保湿ケアに十分な時間を割くことは簡単ではありません。そこで「入浴」を解決の糸口として商品開発ができないかと試行錯誤を重ねました。福岡市にある肌ケア専門企業アトピーラボの理学博士・田中伊都子(たなか・いつこ)先生がご自身の息子さんの肌ケアのためにバスソルトを作ったという経緯にも共感して協業を開始。バスソルト「AQUAGIFT(アクアギフト)」
の主成分は海水から塩を作るときに残る「にがり」。塩化マグネシウムは赤ちゃんが口に含んでも問題なく、海水は皮膚科学会でもアトピーに一定の改善が期待できると報告されている素材です。より肌に刺激が少なくなるよう塩分を99.6%除去することにも成功しました。

当初は美容を前面に打ち出して販売していましたが、世の中にもっと知ってもらうためには開発の経緯である「家族のために」「敏感肌のために」というコンセプトを打ち出したほうがいいのではないかと考え、リブランディング。実際に娘に使用してみると半年ほどで肌の状態が安定し、自分自身も出張などに出かけるときにも手放せない商品となりました。もともと自身もアトピー持ちで苦労した妻からも好評で、2023年現在、「AQUAGIFT」は24万個を売り上げています。

株式会社Growthcanvasでは、「人と地球の健全で美しい成長を描き続ける」を理念として、今後もこの理念に基づいた世界を作っていきたい。デジタルマーケティング事業を通じてイノベーションを作っていくという軸を持ちながら、このようなヘルスケア事業やオーガニックファームの運営といった農生産事業などにも力を入れていきたいと考えています。


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