5年間勤めた公益財団法人を退職し、30歳で地元埼玉に総合型地域スポーツクラブを運営する特定非営利活動法人World Sports Familyを立ち上げました。
幼い頃からスポーツが大好きで、水泳や野球、サッカーなどに熱中しました。特にテニス好きだった両親の影響もあり、地域のテニスクラブには小学生時代に週5日通うほど打ち込みました。大学生になると、テニスクラブの立ち上げにも携わるようになり、次第にスポーツの普及に興味を持つようになりました。そこで、スポーツの地域振興やスポーツマネジメントを勉強するために筑波大学大学院へ進学。卒業後、公益財団法人横浜市体育協会でスポーツ振興に5年間従事。区のスポーツセンターや日産スタジアムなど、横浜市が運営する施設の管理や稼働率改善のための各種施策、スポーツ振興のためのさまざまな企画立案を担当しました。
しかし行政で扱うプロジェクトは正確性や妥当性、横浜市との関係性などを厳しくチェックされるため、民間に比べてスピードも遅く、そのために海外プロジェクトが立ち消えになったこともありました。
――ここで新しいことをやっていくのは難しい。
そのとき、頭に浮かんだのは、テニスクラブの立ち上げを手伝った経験でした。
スポーツ振興を進めるなら民間のほうが機動力もありますし、長く行政でスポーツ振興を支援する立場を経験してきたことから、どのような組織をどのような計画で立ち上げていけばよいかもわかっていました。私の地元である埼玉県戸田市には当時稼働している総合型地域スポーツクラブは少なく、市の職員だった父やその関係の人脈を駆使し、2015年2月にWorld Sports Familyを設立し、同年6月に総合型地域スポーツクラブとして運営をスタートしました。クラブの設立と同時に、陸上クラブの「デカキッズアスリートクラブ」の運営を開始しました。陸上競技の七種競技や十種競技を取り入れた独自のトレーニングを現役トップ選手たちが直接指導。未就学児から高校生までを対象としてクラブは現在会員数約300人、これまでに延べ800人に指導してきました。NPO法人としては他にも太極拳や介護予防教室なども手がけています。
今後は種目数を増やし、事業規模の拡大を図っていきたいと考えています。スポーツは人間関係を改善し、人生を豊かにするものだと思っています。子どものためのスポーツ施設としてだけでなく、大人になってスポーツから離れてしまった人にとっても社交場として機能するような場所をつくっていきたいと思っています。
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