30代は仕事に明け暮れる毎日でした。時間も忘れて集中し、気付けば深夜1時なんてこともザラ。空いた時間で自分をねぎらう生活スタイルだったので、そこから朝の6時頃まで飲みに出かけ、2~3時間仮眠をしてまた仕事……、そんな暮らしを続けてきました。
2021年の年明け、結婚情報誌『ゼクシィ』の仕事でコロナ禍を乗り越えて結婚したカップルの誌面デザインを担当したことがきっかけで、「私は結婚したいのかもしれない」と思うように。家を拠点に未来を描いたとき、現在の生活スタイルすべてに違和感を覚えるようになりました。
4月、仕事が一段落した私は、婚活を開始。恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」に登録しました。すると本登録前の段階で、最初にメッセージをくれた人がいました。プロフィールには未来のパートナーに向けた温かいメッセージが書かれていて、その人柄に一気に興味を惹かれた私。多少無理やり予定を調整して実際に会ってみると「あ、この人と結婚するんだろうな」と確信しました。運命的な直感で、お互い意気投合。婚活アプリもその場で2人とも退会しました。
2度目のデートでは、炭焼きレストラン「さわやか」でハンバーグを食べようと静岡までドライブに出かけました。車内には当時流行っていた藤井風さんの『きらり』が流れ、まだ2度しか会っていないとは思えないほど落ち着く彼の隣。その柔らかな居心地を楽しんでいると、彼は後部座席から器用に一輪のバラを取り出し、私に差し出してくれました。
「一輪のバラの花言葉は『あなただけ』。もし僕と同じ気持ちなら、結婚を前提にお付き合いしていただけますか」
真摯な、彼らしいそんな一言がすごくうれしくて、「よろしくお願いします!」と即答しました。1年後に気持ちが変わらなかったら結婚しようと約束して、翌週のデートで一緒に婚約指輪を作りに行きました。あまりにもいろんなことが急だったけれど、結婚までの期限を設けてくれたことで安心することもできた。同棲を経て、1年後に私たちはそのまま結婚しました。1年の間にたくさんつらいこともあったけど、彼とだから乗り越えられた。これからは家庭に軸を置きながら、大好きな仕事も精力的に続けていきたいと思っています。