2023年1月1日、家族4人でニュージーランドのオークランドに移住しました。
外国人のITエンジニアとスタートアップ企業をつなげるビジネスを創業して3年が経った2016年、事業の成長を加速させようとしていた矢先に妊娠が発覚。戸惑いましたが、ここで私は2つのことを考えました。1つは、育児と仕事、どちらも全力投球すること。そして、できれば子育ては海外でしたいということ。どうしても日本にはまだ同一の価値観の中で「出る杭は打たれる」といった風潮があります。できるだけ多様な価値観の中で子どもを育てたいと考えたのです。私も夫も仕事があるためすぐには難しいけれど、「どこかのタイミングで海外に行きたいね」と夫と話しました。
2020年に第2子を出産した後、コロナ禍となりフルオンラインで仕事ができるようになりました。思いがけず日本にいなくても仕事ができる状態になったものの、世界中がロックダウンし、海外に渡航できる状況ではありませんでした。まずは東京から栃木県の那須塩原市に移住してタイミングを待ちました。
私はどこでも仕事ができるため、移住する国は夫の状況を優先して決めることにしました。夫の希望は、海外の大学でサステナビリティの博士号を取得すること。それが実現できる場所として選んだのが、ニュージーランドのオークランドでした。
オークランドはニュージーランドの北島北部に位置する、国内で最も人口の多い都市です。港町なので日本だと横浜の雰囲気に近いかもしれません。移住の準備を進め、2023年の元日に成田空港を飛び立ち、到着したニュージーランドは真夏。豊かな自然と開放的な雰囲気に胸が高鳴りました。
こうして家族4人でオークランドで暮らし始めて、まもなく1年が経とうとしています。まだ物心ついていない3歳の娘は問題なかったのですが、日本では「僕、ニュージーランドに行くんだ」と嬉しそうに友達に話していた5歳の長男は、移住後すぐに文化と言語の壁にぶつかることになります。友達とコミュニケーションがとれず、どんどん元気をなくしていく姿を見て心配しましたが、6カ月を過ぎた頃から明るさを取り戻し、9カ月経った頃には「あ、抜けたな。もう大丈夫だ」と思いました。
日本にもニュージーランドにも、それぞれ良いところと悪いところがあります。ニュージーランドは伸び伸びしていて、人と人との間にほどよい距離感があります。周囲の目を気にせず自分らしくいられるため、この環境で子育てができて良かったと感じています。
一方で、過去には「あれ? これは人種差別かな?」と感じるような対応を受けたこともありますし、冬の雨期は寒くジメジメしていて、体調も壊しがちになりました。何より物価が高い。外食すると1人2000円ほどかかってしまうため、家で食事をすることが増えました。日本だと300円程度で買える鍋の素が、ここでは1000円もします。でも、文句を言っても状況は変わりません。それなら家族みんなで「おいしいね」と言いながら食べたほうがハッピーです。売っているパンが高く感じるなら、家で作ればいい。
「与えられた環境や起きた出来事をプラスに変える」
これが、私の人生のモットーです。
夫の博士課程が修了するまではオークランドで暮らすつもりですが、その先のことはまだ決めていません。子どもの年齢によっても選択肢は変わってきます。その時々で子育てと自分たちのキャリアでバランスがとれる環境を見つけていきたいと思っています。
外国人のITエンジニアとスタートアップ企業をつなげるビジネスを創業して3年が経った2016年、事業の成長を加速させようとしていた矢先に妊娠が発覚。戸惑いましたが、ここで私は2つのことを考えました。1つは、育児と仕事、どちらも全力投球すること。そして、できれば子育ては海外でしたいということ。どうしても日本にはまだ同一の価値観の中で「出る杭は打たれる」といった風潮があります。できるだけ多様な価値観の中で子どもを育てたいと考えたのです。私も夫も仕事があるためすぐには難しいけれど、「どこかのタイミングで海外に行きたいね」と夫と話しました。
2020年に第2子を出産した後、コロナ禍となりフルオンラインで仕事ができるようになりました。思いがけず日本にいなくても仕事ができる状態になったものの、世界中がロックダウンし、海外に渡航できる状況ではありませんでした。まずは東京から栃木県の那須塩原市に移住してタイミングを待ちました。
私はどこでも仕事ができるため、移住する国は夫の状況を優先して決めることにしました。夫の希望は、海外の大学でサステナビリティの博士号を取得すること。それが実現できる場所として選んだのが、ニュージーランドのオークランドでした。
オークランドはニュージーランドの北島北部に位置する、国内で最も人口の多い都市です。港町なので日本だと横浜の雰囲気に近いかもしれません。移住の準備を進め、2023年の元日に成田空港を飛び立ち、到着したニュージーランドは真夏。豊かな自然と開放的な雰囲気に胸が高鳴りました。
こうして家族4人でオークランドで暮らし始めて、まもなく1年が経とうとしています。まだ物心ついていない3歳の娘は問題なかったのですが、日本では「僕、ニュージーランドに行くんだ」と嬉しそうに友達に話していた5歳の長男は、移住後すぐに文化と言語の壁にぶつかることになります。友達とコミュニケーションがとれず、どんどん元気をなくしていく姿を見て心配しましたが、6カ月を過ぎた頃から明るさを取り戻し、9カ月経った頃には「あ、抜けたな。もう大丈夫だ」と思いました。
日本にもニュージーランドにも、それぞれ良いところと悪いところがあります。ニュージーランドは伸び伸びしていて、人と人との間にほどよい距離感があります。周囲の目を気にせず自分らしくいられるため、この環境で子育てができて良かったと感じています。
一方で、過去には「あれ? これは人種差別かな?」と感じるような対応を受けたこともありますし、冬の雨期は寒くジメジメしていて、体調も壊しがちになりました。何より物価が高い。外食すると1人2000円ほどかかってしまうため、家で食事をすることが増えました。日本だと300円程度で買える鍋の素が、ここでは1000円もします。でも、文句を言っても状況は変わりません。それなら家族みんなで「おいしいね」と言いながら食べたほうがハッピーです。売っているパンが高く感じるなら、家で作ればいい。
「与えられた環境や起きた出来事をプラスに変える」
これが、私の人生のモットーです。
夫の博士課程が修了するまではオークランドで暮らすつもりですが、その先のことはまだ決めていません。子どもの年齢によっても選択肢は変わってきます。その時々で子育てと自分たちのキャリアでバランスがとれる環境を見つけていきたいと思っています。
松本麻美 YouTube