野田さんショート

「冬のソナタ」をきっかけに、韓流ドラマが日本でブームになったのが2004年。そこからずっと、韓流への強い愛を持ち続けている方たちがたくさんいます。2019年1月、そんな方たちの溢れる思いをじっくり聞き、1冊の本にまとめる「韓流自分史(メモリアルブック)」というサービスを立ち上げました。41歳の決断です。

韓国に興味を持った入り口は、歴史や考古学でした。子どもの頃、日本の古墳から出てきた朝鮮半島にゆかりのある出土品を見ると、すごくわくわくしたんです。歴史を学べて学芸員の資格が取得できる京都の大学に進学し、3年生のときにソウルに留学。
――私、やっぱり韓国が好きだな!
1年間の韓国生活でそう実感しました。
帰国後は、自分が感じた韓国の魅力や面白さを人々に伝える仕事をしたいと考えるようになりました。

新卒で韓国経済を扱う新聞社で働いた後は、韓流ジャンルを扱う雑誌の中で最大部数を誇るテレビガイド誌の編集を業務委託で請け負い、韓国のドラマ、バラエティ、音楽についてひたすら書き続けました。仕事は楽しかったのですが、月刊誌なので締め切りに追われ続ける毎日の中で、いつしか心のゆとりを失っていきました。12年が経ち、「今の自分はただ、作業をこなしているだけだな」と思ったときに、次のステージに進むことを決めました。

何万人もの人に届かなくてもいいから、たった1人のために、もっとじっくり時間をかけて作っていきたい。そう考えていたときに「韓流自分史」のアイデアが自分の中に降りてきたのです。前職時代に知り合った韓流ファンの人たちは、決して大げさではなく韓流によって人生が変わっているし、「韓流がなかったら、今の自分はない」と言い切る人もいました。
そんな方たちの韓流愛を聞き、1冊の本にまとめたら、宝物にしてくれるのではないか。
自分のアイデアを信じ、2019年に「韓流自分史」のサービスをスタート。本の中では、インタビューのほかこれまでに見たドラマのランキングや「推し活」年表を作成し、50回以上も韓国を旅行した人の場合は、地図に訪れた場所の印をつけたこともあります。

できあがった本を手に取った人が笑顔になり、直接「ありがとう」と言ってもらえる。それが何ものにも代えがたいやりがいです。誰のために仕事をしているのかが明確になったことで、いまはとても自分らしく仕事ができていると感じています。

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