高野ちゃんショート

2022年8月、東京都の檜原(ひのはら)村に移住し、地域おこし協力隊の活動を始めました。
神奈川県出身。東京都内の大学を卒業し、都心のベンチャー企業に就職。車の免許さえ持っていない、根っからの都会っ子。そんな私が、会社を辞め、人口2000人の小さな村に移住したのは、「人がもっと安心して生きるにはどうすればいいのか?」という問いを突き詰めた結果でした。

社会人1年目は、人材系のベンチャー企業で就活生のキャリア相談を担当。やりがいのある仕事でしたが、年間300人超の学生と対話する中で、ある課題感を持つようになりました。学生たちの多くがとらわれている「自分の市場価値を高めなければ、豊かに生きていけない」という強い不安の存在に気付いたのです。そんな「生きることに対する不安」は、社会全体にも蔓延しているように私には感じられました。

不安を抱える学生たちに対して、「どんなスキルを身につければ将来安泰か」といったアドバイスをするよりも、もっと本質的な答えを見つけたい。そう考えた私は、仕事の傍らでさまざまな本を読み、人に会い、各地を訪ねて答えを模索しました。その結果たどり着いたのが、「自分が生きるために必要なものを、自分で作り出せるようになる──つまり自給自足の生活ができれば、もっと安心感を持って生きられるんじゃないか」という仮説でした。

この仮説を実証するために会社を辞め、栃木県の「非電化工房」で1年間、農業や大工仕事など自給自足で生きる方法を実践しながら学びました。野菜やお米、そして住む家までも自分で作る。都会のもやしっ子だった私にはとてもハードな経験だったけれど、「自然の恵みさえあれば、私たちは死ぬことはない」という大きな安心感を得ることができました。

これからは次のステップへ。自給自足の安心感を多くの人に広げていくための場所を、自分の手でつくりたいと思っています。都心から2時間ほどで行ける距離にありながら、自然が豊かな、東京都檜原村を新たな活動の拠点に選びました。奥多摩の南側に位置する、東京都唯一の村です。皆さんぜひ遊びにきてくださいね!

高野優海 Twitter

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