澤田ゆうみ

2023年、日本ではじめてとなるティーペアリング協会を立ち上げました。

もともと美容が好きで、美容専門学校を経てヘアメイクの仕事をスタート。ブライダル業界のヘアメイクの仕事は激務で、朝4時に起床して5時に出発、帰宅するのは深夜1時。次第に帰る時間も惜しくなり、駐車場で寝泊まりする日々。ストレスから拒食と過食を繰り返すようになっていました。

その後、24歳で結婚し、25歳で出産。ところが妊娠中に増加した体重が出産後も戻らず、最終的に165㎝の身長に対して80㎏まで体重が増加してしまいました。膝が痛くて階段の上り下りができず、階段に腰を下ろしながら1段ずつ降りていくような状況。子育てのストレスと、思うように動けないストレスで生理が止まり、じんましんや円形脱毛症にも悩まされました。これまで自由に仕事もできていたのに、子どもと家庭のルーティンに追われ、「世の中に貢献していないんじゃないか」「社会に必要とされていないんじゃないか」という不安にも襲われました。

――何かを変えたい、変わりたい。

そんなとき思い出したのが、ヘアメイク時代に出会ったハーブティーでした。ヘアメイク勤務時代、ホテルではお客様にハーブティーを提供していました。ある日その出がらしを1杯いただくと、これがすごくおいしい! 出がらし自体もピンク色で花びらや葉っぱも入ってかわいらしく、すぐにハーブの魅力に引き込まれていきました。休日に工芸茶を買って楽しむなど、20歳当時の私にとってはまさに天啓ともいえるストレス発散方法でした。

出産後、子どもも小さくヘアメイクとして働きに出ることは難しい状況下にあって、このハーブティーを使って何かできないかと考え、図書館でハーブの本を借りて独学で勉強を開始。その後、日本メディカルハーブ協会のスクールに通い始め、「卒業してからでは遅い!」と在学中からオリジナルブランド「Beauty Herb Clover」を設立。仕入れたハーブで美容・健康に特化したブレンディングティーの販売を始め、早速近隣店舗に売り込みに行きました。ところが「日本茶が主流の中、なんで敢えてハーブティーなの?」とまったく相手にされません。売り込み先の店舗に忘れ物を取りに戻ったところ、先ほど置いていったハーブティーが開封されることなく捨てられているのを目にすることもありました。がんばって飛び込み営業をしても月に1~2万円しか売れない日々。悔しくて1人で泣き明かす毎日でした。

そんな中、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)といったハンドメイト作品の販売プラットフォームがあることを知り、「美容の専門家がつくる美容液ハーブティー」として売り出したところ、販売数が微増。その後、ハーブティーで80㎏から45㎏まで体重を落とした実体験をもとに売り出した「ダイエットほうじ茶」が爆発的なヒットとなりました。Creemaやminnneでも評価され、人気クリエイターにも選出されました。2018年・2019年のミスコン世界大会「Jewel of the World」では、日本代表サポートのハーブ飲料に選んでいただくこともできました。

活動を続ける中で、ハーブティーはワインのように料理との飲み合わせが大切であることを実感。料理、スイーツ、野菜、果物、スパイスなどをお茶とかけ合わせる「ミクソロジーペアリング」を研究し、2023年2月、ミクソロジーペアリング協会を立ち上げました。ほうじ茶で赤ワインの風味を、あるいはシャンパンの風味を実現することもできます。これから協会も大きくしていきたいし、協会で認定しているティーアーティストプロの資格を使って事業を展開していきたいと考える人たちも支援したい。ティーペアリングという船に乗って、みんなで夢を叶えたい。まだまだ挑戦は始まったばかりですが、「お茶でエンターテインメントをつくる」を目標に、これからも国内外で活動を広げていきたいと考えています。


ミクソロジーティーペアリング協会 ホームページ
Instagram 澤田ゆうみ
minne beauty harb clover


おすすめの記事