毛塚花

小学5年生から和太鼓を始め、大学2年生で和太鼓を辞めた。これが私の人生の決断です。

和太鼓との出会いは小学4年生のとき。母親に連れられて参加したワークショップがきっかけでした。気が付けば和太鼓の世界に引き込まれ、和太鼓教室に入会。毎日猛練習を重ねる日々を過ごしていました。

私が所属していたNPO法人打鼓音(だこおん)は、神奈川県横浜市に拠点を持つ創作和太鼓集団。2015年には日本一、19年には世界一を獲得したほどの実力派です。ジュニアチームからシニアチームまであり、大人はプロの和太鼓奏者として全国巡業しています。私はその中で、体幹がいいからと勧められた「チャッパ」という和楽器を担当。チャッパは小型のシンバルのような形状で、鉄琴にも似た金属製の音が鳴ります。15名ほどの和太鼓奏者がいる中で、チャッパは1~2名しかいない重要な役回り。チャッパの奏でる音になぞら えて「チャラチャラ、チャーン」とだけ書かれた譜面と睨めっこしながら、「この『チャラチャラ』はどのような気持ちで演奏するのでしょうか?!」と作曲者であり打鼓音の代表でもある渡邊晃伸氏に細かく確認しつつ練習に励みます。
メンバーと顔を見合わせながら呼吸を合わせて1つの音楽を奏でていく。その喜びは何ものにも代えがたく、高校も和太鼓の活動拠点に近いという理由で選択。大会や海外演奏会などにも参加しました。

幼いころからともに太鼓を演奏してきた先輩方は皆、打鼓音へ就職していました。私自身、辞めることなんてないんだろうなと思っていましたが、大学入学を機に、アルバイトやサークル活動といった一般的な大学生活に憧れ、脱退を決意。同期のみんなと一緒に出演した最後の演奏会は号泣しました。

卒業後、転職を経てPR会社に入社した私が真っ先に取り組んだのは、打鼓音のPRでした。会社の先輩の協力もあり、全国紙の地域面での露出獲得に成功。これが、私のPRとしての最初の実績になりました。その後もテレビ神奈川で取り上げていただくなど、これまでになかった形で打鼓音と関わることができました。
和太鼓は、私を形作ってくれたもの。礼節、チームワーク、目標への向き合い方……。大切なことは全部和太鼓が教えてくれました 。大好きな和太鼓の世界をこれからも広めていきたい。打鼓音との協奏は、まだまだ続いていきます。


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