清美さんショート

1つ1つの決断の積み重ねの結果、企業と非営利団体の両方の立場から、子どもの虐待防止や子どもたちの声を聴く活動に携わっています。

サイボウズというソフトウェアメーカーに2001年にPR会社から転職。広報IRやブランディングを担当し時間や場所にとらわれない働き方や男性育休、子連れ出勤といった多様な働き方について発信、勉強会を重ねていきました。2015年からは社会課題に取り組むチームを応援するNPOプログラムを立ち上げ、さまざまな団体との協働を始めました。

個人としては2012年から、元サイボウズの先輩が立ち上げた里親家庭や児童福祉施設など社会的養護の子どもたちと交流する非営利団体ぐるーんで活動し学んでいきました。
私自身、育休から復帰した2011年にDV夫と別居し、暴力のある家庭から子どもと脱出した当事者でした。子どもの権利や非営利活動には学生時代から関心を寄せていましたが、社会全体で取り組む大切さをより一層感じるようになりました。

仕事仲間と多様な家族のあり方をテーマにした交流会を運営していく中、社会的養護経験者で当時は教員だった川瀬信一さんに出会います。社会的養護の子どもたちと学ぶNPOでもご一緒していた川瀬さんには2018年、「子どもの声からはじめよう」という子どもの権利や当事者参画に関する勉強会と政策提言のプロジェクトの発足時に声をかけていただき、サイボウズとして会場を提供しつつ、ともに運営に取り組んできました。

「子どもアドボカシー(子どもの声を聴き、ともに声をあげること)」について国内外の研究者、実践者、若者から学び、2020年に「子どもの声からはじめよう」を法人化。2021年から児童相談所の一時保護所に訪問し、子どもアドボケイトとして子どもたちの声を聴く活動を始めました。保護所にいる子どもたちの願い、悩みはさまざまで、制約の多さにもどかしさを感じることもあります。でも、アドボケイトが子どもたちの声を聴いたことから状況が変わることもあり、そういったときには特にこの活動の意義を感じます。

コロナ禍よりオンラインで子どもアドボカシーの講座を運営し全国にこの活動が広がっています。

2018年には、サイボウズで虐待防止プロジェクトもスタートしました。要保護児童を取り巻く、自治体や学校、保育園といった地域機関との連携や、児童相談所と施設の連携にクラウドサービスを無償提供。児童福祉関係者や虐待を受けた当時者の方々との勉強会やイベントを重ねてきました。

私が転職した当初のサイボウズは、楽しくも長時間労働が当たり前のいわゆるブラックな環境でした。しかしいまは社員一人ひとりの声を聴き、多様な個性を重視する文化があり、働きやすい会社になりました。

社会においても、これまで届きづらかった方の声が聴かれ、自己決定の機会が増えてほしい。また、本人が望む形でチームや社会に参画ができ生きやすくなるよう、既存の枠組みにとらわれず多様な方々と理想を重ねて活動していきたいです。

一般社団法人子どもの声からはじめよう ホームページ
サイボウズ株式会社 社会課題への取り組み ホームページ

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