山本万優

NGOでの副業経験から、ソーシャルビジネスの道に進みました。

生まれ育った京都は盆地で、周りは山! 川で遊んだり、家族で海に行ったり、自然に触れて遊ぶ幼少期を送りました。運動も好きで、特に小学5年生から始めたバレーボールは高校で県内屈指の強豪校に入学するほど夢中になっていました。朝から晩まで部活漬けの生活を過ごし、大学の進路を考える頃、スポーツ以外の世界を知りたい、体育館の外の世界を見たいと思い、大学は立命館大学に進学。

大学3年生の頃に1年間休学してカナダへ。ビジネスカレッジに通い、ビザを取得。つたない英語で200社以上電話をかけて就職活動をし、現地の大手旅行代理店に就職しました。人生初めてのスーツでオフィスに出社をする日々は想像以上に刺激的。英語での電話対応や会議で話される内容の理解に苦しみ、悔しさで帰りの電車で涙することもありましたが、出会った女性管理職の方々はいまでも私のロールモデルになっています。

帰国後、全日本空輸に就職、客室乗務員として勤務しました。フライトで国内外を訪れ、休暇期間はパレスチナ・ガザ地区の難民支援や、教育問題に関心を持ち、海外ボランティアに出かけるように。次第に地球レベルで長年解決されていない問題が放置されていることに強く課題意識を感じるようになりました。

教育格差や社会問題解決に繋がる仕事に関わりたいと考え、リクルートの教育事業部に転職。全国の多様な学校を担当し、現場での課題に向き合い続けました。ビジネスパーソンとしてもさまざまな業種を経験し、組織として目標に向かって走るダイナミズムも学びました。

充実した日々を送る中でコロナ禍に突入。アジア・太平洋地域で活動する社会起業家を支援しているNGO Earth Companyの研修をたまたまSNSで見つけて興味を持ち、参加してみることに。実際携わって見ると、その取り組みにもより共感し、代表の人柄にも心惹かれました。その後、団体で教育プログラムの立ち上げができる人を探していると知り、すぐに手を挙げて、日本国内の企業・教育機関を対象に、リジェネラティブな(再生型の)未来を創る人を育成する研修プログラム「インパクトアカデミー事業」に携わりました。

Earth Companyでは地球にとって良い活動をするだけでなく、「自分自身も豊かな暮らしをする」のが当たり前。それに影響されて私自身も鎌倉に移住し、マイボトルを持ち、家庭菜園を始め、環境に配慮した生活を始めることもできました。さらに、Earth Companyが運営するバリ島エシカルホテルの、「存在することで社会や環境が良くなる」というビジネスモデルにも心動かされ、日本の森林分野でのビジネスアイデアを考えて林野庁主催のビジネスコンテストに出場。短い期間でプロトタイプを作って営業活動をしながら検証を重ねた結果、見事最優秀賞を受賞することができました。

優勝を機に2022年12月にリクルートを退職、2023年5月に株式会社myakuを立ち上げました。現在サステナブルブランドMYAKUを立ち上げ、ひのきキャンドルの発売を開始。森林にまつわる事業開発のコンサル支援、企業のCSR活動推進支援などを手掛けています。地方の林業生産者の現場を訪問したり、自社商品を開発したり、勉強会で森林について学んだりと、日本全国を走り回る日々は忙しいながらもとても充実しています。

会社を起業して約1年。学生生活から関心を持っていたソーシャルビジネスの分野で挑戦できることが嬉しい反面、経営者としてやりたいこともやれることもまだまだたくさんあると感じます。それがモチベーションになっていますし、もっと貪欲にチャレンジしていけたらと思います。

(構成/岸のぞみ)

株式会社myaku ホームページ


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