下和田さんショート

あるとき、テレビを見ていた子どもが、「ママは社長だけどテレビに出ている人より有名じゃないね。クラスの友達はみんな知らないよ」と言いました。そして、「どうせなら、1位になってよ」と。突然降ってきた子どもからの指令。
「わかった。ママは愛知県で一番の女性社長になるね」
この約束が、私の決断。私にとって、子どもとの約束は絶対です。

大学時代に愛知県名古屋市で起業して人材派遣事業を展開していましたが、24歳で妊娠。仕事を続けたかったけれど、あまりのつわりのひどさに断念し、一度専業主婦になりました。でも、子どもが1歳になったタイミングで「やっぱり、働きたい!」と思い、レビウスを設立。前職の知見を生かして人材派遣業からスタートしたものの、自分自身が育児をしながら働く中で感じる課題を解決できるようなビジネスをしたい、という思いがずっとありました。

設立から5年経った2020年、認可外保育園としてインターナショナルスクールの「ココアスキッズ」を開業。保育士は多国籍で、園内の会話はすべて英語です。ただし、英語はあくまでも多様な人とコミュニケーションを取るための手段でしかない。ここでは、次世代のグローバル人材を育成するため、プログラミングやプレゼンテーション、アートやSDGsの概念を教えるカリキュラムを提供しています。

保育園に子どもを預けて働くママたちは、どうしても夫や子どもに負い目を感じてしまうもの。でも、子どもに高度な教育を提供しているママたちには、その負い目がほとんどありません。子どもとママが、それぞれ成長できる環境こそが女性活躍に必要なものだと私は考えています。2022年春には、名古屋市の覚王山(かくおうざん)に2校目を開校。2023年4月には埼玉県大宮市と大阪府茨木市の彩都にフランチャイズ(FC)店のオープンが決まっています。これを皮切りに全国にFC展開していく予定です。

残念ながら、愛知県の女性経営者比率は、全国でワースト2位。女性創業者で上場した会社はありません。女性活躍を自ら率先していくため、愛知県初の女性創業者として、新規上場を果たしたいと考えています。
これが実現できれば、子どももきっと「1位」と認めてくれるはず。仕事で夜の寝かしつけができず、淋しい思いをさせてしまったこともあります。でも、だからこそ子どもとの約束をしっかり守りたい。そして、子どもが誇れるママでありたいと思っています。

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