斉藤さんショート

2022年5月、東京・新宿区の神楽坂に唐揚げ専門店をオープンしました。

2021年まで、福岡県北九州市で17施設を展開する介護施設の総施設長として働きながら自分の会社を持ち、介護施設の厨房経営もしていました。65歳で施設長の仕事を定年退職することになり、自分の会社はコロナ禍に飲食店経営に行き詰まっていた知り合いに譲渡することにしました。

これまでの仕事に区切りがつき、この先のことを考えたときに、「子どもたちがいる東京で唐揚げ店を開こう!」と思い立ったのです。
30代、子育てと仕事に追われる毎日は大変でしたが、どれだけ忙しくても、3人の子どもたちの食事にはこだわって手作りしてきました。子どもが成長してからは、介護という大変な仕事を担うスタッフたちをねぎらうため、定期的に家に招き手料理をふるまっていました。その中で「どこのお店よりもおいしい」と人気だったのが、唐揚げだったのです。

居酒屋を開業することも選択肢としてありましたが、自分の年齢を考えたときに、すぐに覚えられて引き継ぎやすいテイクアウトの唐揚げが良いだろうと思いました。
東京は旅行に来たことはありますが、住んだことはありません。まったく土地勘もない中で思い浮かんだ場所が、前にテレビで見て雰囲気が好きだった神楽坂。不動産屋に行くと、メイン通りから1本入った場所にいい物件がありました。「奥まっているので難しいかな?」と思ったものの、「難しい場所で成功させたら面白いな」と考え直し、即決しました。

「神楽坂らしい唐揚げを作りたい」と考えた看板メニューは、お手土産として利用できる詰め合わせの「おもたせ」。ゴルゴンゾーラや柚子胡椒など、9種類のトッピング唐揚げを詰め合わせたものです。若鶏は唐揚げに最も合うとされる宮崎県産を使用し、そのほかの食材も国産の良い素材にこだわっています。

開店から1年半経ちましたが、思った通りにはいきません。やはりお店が奥まった場所にあるためになかなか認知されませんし、そもそも神楽坂はテイクアウトよりもお店で食事をする街なのです。それでも、何度も来てくださるお客様や、UberEats(ウーバーイーツ)で40回も注文してくださる方もいます。

大変なことも多いですが、この年齢で新しい経験が山のようにできているのは楽しいですね。お店を通じて知り合った多くの人たちから刺激を受け、まだまだ自分が成長できているのを感じます。

2023年6月から24年5月末まで東京ソラマチに出店しており、12月にはNEWoMan新宿2階の駅ナカフロアにも新規出店が決まりました。斉唐の唐揚げをより多くの人に食べてほしい。今後はフランチャイズ展開して店舗を増やしていくことが目標です。

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