私の決断は、社会保険労務士の資格を取得したことです。
幼い頃にテレビで見た職業に憧れて国家資格を取得し、無事その職に就いたものの、実際に働いてみると想像していた働き方ができず、適性に疑問を覚えたことで転職活動を決意。コツコツと作業をすることが得意だと気が付いたので、事務職に的を絞った結果、八千代エンジニヤリングにアルバイトとして入社しました。
人事課に配属となり、新卒採用のチームで会社説明会や面接調整などのアシスタント業務をスタート。3カ月後には契約社員となり、学生に会社のよさを伝える仕事を続けるうちに愛社精神も芽生え、5年後には正社員登用試験を受けて無事合格。気が付けば新卒採用チームで10年も働いていました。
ただ、10年も人事課にいるのに、採用以外の人事業務を理解しておらず、他部署の方から質問をされても回答ができないことに、実は大きなコンプレックスを抱いていました。自己紹介の際にも、「人事課の〇〇です」と名乗るのは、「採用以外の知識がないのに、人事課と言っていいのだろうか?」と考えてしまい、「新卒採用担当の〇〇です」と言うことで自分と折り合いをつけていました。
人事課は、自身が目立つことはありませんが、黒子となり誰かをサポートできる仕事で、大きなやりがいを感じています。そのため、私が仕事をする軸は人事領域でありたいと強く思っていました。
このような思いを抱え、これからも人事課として働き続けるために、上司に課内での業務転換を希望しました。そして、新卒採用担当から労務系の担当に配置転換があったタイミングで、この10年得られていなかった人事周りの他分野の業務の知識を巻き返したい、と思い「社会保険労務士」の資格取得を目指した勉強を開始しました。
業務転換後の2019年7月から、毎週土曜日に社会保険労務士資格の専門学校に通い始めました。授業は10時から17時まででしたが、私は9時前には教室に行き自習をしていました。平日は仕事が忙しく勉強時間を確保することが難しかったことと、自宅だと集中力が持たず非効率だと感じたため、自宅での勉強はきっぱりとやめ、通勤時間の3時間で過去に習った部分の復習と、翌週授業分の予習を集中して行いました。受験前日は有休を使って万全を期し、2020年8月に試験当日を迎えました。
試験は1日がかりで行われ、終わったのは夕方頃。自宅で自己採点をすると、全体の合格点には届いていたものの、科目ごとに設けられた足切り点に引っかかる教科があることが発覚。気が気ではありませんでしたが、受験者の得点分布を考慮して合格基準点が引き下げられる救済措置が入ったことで、無事11月の合格者名簿に名前を見つけることができました。
社会保険労務士は難関試験として知られており、1回で合格する人の割合は平均で1%ほどです。1年間の猛勉強の日々と学校やテキスト購入費用の20万円は安い投資ではありませんでしたし二度と戻りたくない苦しい時間でもありました。しかし、翌年には資格取得を評価されて昇進も果たし、5年経ったいまも勉強が生きていると感じます。
資格取得後、社会保険労務士事務所への転職を迷った時期もありましたが、その際に相談した上司からいただいた「専門性を深めるのもいいが、会社の中で人事労務の専門家として外部の専門家と対等に意見を交わせるような人材を目指してはどうか?」というアドバイスに腹落ちし、いまは外部の社会保険労務士とのやりとりを通じてそのポジションにふさわしい人材を目指しています。これまでは労務関連の仕事がメインでしたが、これからは社会保険関連業務などにも関わり、人事労務の仕事の中で幅を広げていきたい。現状に満足することなく、さまざまなことに挑戦していきたいと思っています。
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