今井亮輔

2021年10月、住み慣れた関東を離れ、北海道壮瞥(そうべつ)町に移住しました。

神奈川県横浜市で育った 私は、東京工業大学大学院を卒業後、NTTデータに就職。SE(システムエンジニア)として15年ほど在籍しました。NTTデータは離職者が少なく、働きやすい会社です。しかし40代に差し掛かるにつれ、現場仕事からは遠ざかり、大規模プロジェクトを任される一方で「ありがとう」という言葉からは離れていくのを感じました。
60歳までこれを続けていくんだろうか。
自分が楽しめないと意味がないのではないか、という思いから、昔から興味のあった地方に移住することを決意しました。

思い返せば、学生時代に参加した鹿児島県大口市(現在の伊佐市)での地域づくりに関わることのできるインターンで、地方の資源の豊かさに触れ、地域おこしの現場を目の当たりにしたことで、地方を守るなんらかの手助けをしたいというのが私の根っこでした。
地方の豊かな資源を都会生活者に発信し、都会に豊かさを、地方に消費をもたらすような循環をつくりたい、何より自分も豊かな地方で生活をしたい、という思いが強くなり移住を検討するようになりました。
やはり、移住するなら食材のおいしい北海道と考えて、北海道のさまざまな町を見てまわり、壮瞥町と東川町が候補となりました。東川町は移住者が多く移住者にとって入りやすい雰囲気があり、魅力的でしたが、自然豊かで洞爺湖が美しく、いい意味で何もない壮瞥町で、文化をつくるところから始めたいと洞爺湖畔の壮瞥町を選択。2021年に移住しました。

活動の半分は地域おこし協力隊として壮瞥町の移住・定住担当者として、半分はワインとチーズとコーヒーを扱うヨツカド商店として、地元のおいしいものを広める活動をスタート。会社員のときと比べて収入は減りましたが、店舗に大きなワインセラーをつくって、酒販免許を取得し、大好きだった自然派ワインを紹介しながら壮瞥町の町おこしにも携われるやりがいのある仕事です。未知の場所で新たな仕事。体当たりながらいろんなことにチャレンジする毎日は、さながらジェットコースターのよう。大変なこともありますが、壮瞥町に来て新たに知り合った方々からの温かい応援もあり、今は踏み出せてよかったなと思っています。「食」を中心に人の集まる場づくりをしていきたい。私の挑戦は、まだ始まったばかりです。


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