松浦さんショート

2020年、東京と福岡県北九州市との遠距離恋愛を経て、現在の夫との結婚を決めました。

彼とは熊本の大学に通っていたときに、学外のバスケットボールサークルで出会いました。当時の彼の印象は、「チャライ人」(笑)。彼は東京、私は北九州で就職したため、卒業後はほとんど会うことはありませんでした。
28歳のとき、東京で開催された勉強会で再会。久しぶりに会った彼はカメラマンとして働いており、自分とはまったく違うジャンルの話を聞くのが楽しかった。

そこからまた連絡を取り合うようになり、しばらくして彼から告白されましたが、年齢的にも次に付き合う人とは結婚したいと思っていた私は、最初はお断りしました。
「遠距離だし、先が見えない」
しかし、そんな私に彼は言いました。
「俺が北九州に行ってもいい」
それならいいかな、と承諾して遠距離恋愛がスタート。
2019年には私の妊娠が発覚し、結婚に向けて動き始めます。彼は約束通り北九州で仕事を探してくれていたのですが、なかなかいい仕事が見つかりませんでした。薬剤師の私は働く場所を選ばないため、かなり悩みましたが、それなら私が東京に行こうと決めました。

しかし、引っ越し準備を始めたタイミングでコロナ禍に突入。同時期に私は流産してしまい、そこからは完全にマリッジブルーに入ってしまいます。
子どもがダメになったことで、せっかく固まっていた上京の決心が揺らぎました。その当時、県をまたぐ移動は制限されており、友達にも「東京に行く」と言えなかった。飛行機に乗るのも怖いし……。

そうやってくよくよしていたある日、彼から突然電話がかかってきました。
「いま、家の外にいるから」
私を心配した彼が、東京から車で北九州まで会いに来てくれたのです。
――この人についていこう!
ここで、結婚の決意が固まりました。

東京に来て3年。いまは西東京市で1歳になる長男と夫と、楽しく暮らしています。西東京市は23区外ということもあり、イメージしていた東京とは違って、自然が豊かで子育て世帯も多く、住みやすい街です。はじめはよそから東京にお邪魔している感覚だったのですが、最近ようやくここを「自分の住む街」と思えるようになりました。

まもなく第2子を出産予定です。これからも家族みんなで楽しく、笑って過ごしていけたらいいなと思っています。

(写真/松浦幸之介)

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