大洲航

2018年11月、茨城県石岡市にイタリアンレストラン「Trattoria Grano」を開業しました。

飲食との出会いは高校時代、レストランでのアルバイトがきっかけで、調理の経験をしたことから料理に興味を持ち、東京の調理師専門学校に進みました。
最初はただ「好きだから」という理由でイタリアンを選んだのですが、勉強していくうちに、イタリアンと日本料理には共通点が多くあることに気が付きました。中華料理やフレンチなど世界の料理の大半は「足し算」の考え方なのですが、和食は素材の水分を抜いて旨味を凝縮させるなど、「引き算」して素材そのものの持ち味を引き出します。それはイタリアンにも通じるところがあり、調味料・調理法もとてもシンプル。
デュラム小麦・卵・水・塩で作られたパスタは日本の蕎麦やうどんと同じ位置付け。イタリアで言うかけ蕎麦が、アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ。にんにくと唐辛子のオイルソースパスタです。このベースに季節の野菜や肉・魚介を加えてアレンジされていきます。
そのシンプルさにどんどん惹かれていったと同時に、和食と似ているということは、日本人の好みに合うと考えたのです。

専門学校を卒業後は5店舗ほどの飲食店で経験を積みました。自分のお店を持つ目標はずっと持ち続けていたものの、20代はなかなか踏み出せず。ただ、料理長として厨房は管理できるようになっても、料理長の立場では経営の深いところまでは関わることはできません。もっと店舗経営に携わっていきたいと考えるようになり、32歳のとき、思い切って自分の店を持つことを決めました。

地元の茨城県石岡市で数カ所の物件を見て、JR石岡駅直結の「石岡かんばん横丁」の一角の物件に決めました。石岡駅は1日の乗降客数が平均約5000人。駅から近いことが一番の決め手でした。

2018年に「Trattoria Grano」を開業。「Grano(グラーノ)」とはイタリア語で小麦という意味です。生パスタが売りのお店で、小麦にも製法にもこだわって作っています。
オープンが11月だったので、直後はちょうど忘年会や新年会のシーズンでした。開業したばかりのお店を選んでもらうことは難しく、なかなか客足が伸びませんでしたが、翌年2月末くらいから口コミなどからお客さんが来てくれるようになり、そこからは売り上げが安定していきました。

開店当初はちゃんとお店を経営していけるのか不安で、その不安を紛らわすためにとにかく休みなく営業していました。しかし、営業し続けるとパフォーマンスが下がることに気づき、定休日と休憩時間を取り、自身も楽しめ、オンとオフの切り替えができるようになりました。自分自身が楽しんでいなければ、お客様が楽しめるわけがない、と気づいたのです。それからは、楽しみながら働くことを大事にしています。

自分のお店を持ち経営していくことで、視野がとても広がったと感じています。自分ですべてを決めてすぐに行動に移せる。その結果が自分に返ってくることが楽しい。もちろん大変なこともありますが、楽しいことのほうがずっと多いので、もしやりたいことがあるけれど悩んでいる方がいたら、ぜひ挑戦してほしいと思います。

Trattoria Grano 食べログ
Trattoria Grano Instagram

おすすめの記事