保岡恵梨

求めていた「家庭像」を築くために結婚相手を選び、仕事を辞める。それまでの自分からは考えられない大きな決断でした。

そもそも、わたしの好きなタイプは意思のハッキリしたちょっぴりモラハラ系男子です(笑)。でもある日、結婚したい人と恋愛したい人は違うんだと気がつきました。自分のタイプとは180度ほども異なる今の夫と出会ったのは、わたしが35歳のときのこと。丸の内での初デートは、どこか頼りなく、パッとしないなぁという印象でした(笑)。でも誰よりも私のことを大切にしてくれる。何より温かい家庭観を持ち、わたしの両親とも本当に仲良く接してくれる人でした。

結婚して子どもが生まれると、長く続けてきた整体師の仕事に対する考え方も変わりました。共同経営者からは整体院の経営を引き継ぐ話もありましたが、子育てを中心とした生活にシフトするため店舗を閉めることを決意。今は、子どもの体の発育に関するワークショップの準備や出張での整体施術を行っています。

本当に店を閉めてしまって良かったんだろうかと不安になる日もあるけれど、どちらを選んでも悩んだに違いありません。

「選んだ決断の正しさより、それを意味あるものに変えていくほうが素敵じゃない?」

そう言って笑ってくれたのは、今も隣で娘とたわむれる、私の大切な夫です。

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