『北極でつながった縁。札幌から徳島の会社に就職』池田未歩　株式会社グリラス 広報

2022年4月、新卒社員として徳島大学発ベンチャーのグリラスに入社しました。

札幌で生まれ育ち、寒いところが大好き。きっかけはわからないのですが、物心ついたときから南極への強い興味と憧れを抱いてきました。どうすれば南極に行けるか。進路選択の基準はその一択でした。

大学1年生のとき、札幌で北極冒険家の荻田泰永さんの講演会があり、そこで「来年、若者たちを連れて北極冒険をする」と聞きました。
「本当は南極に行きたいけど、同じ極地だし参加してみたい！」と自ら手を挙げて、親の猛反対を押し切って北極へ。2カ月間で、氷の上を600キロ歩きました。

大学に戻り、ゼミでは訪れた北極の海氷を研究。ただ、就職活動のタイミングになっても、南極に行く以外にモチベーションの上がるものが見つかりません。そんなときに、北極冒険に一緒に参加したグリラスの社員の方が、「うちの会社に来ないか」と誘ってくださったのです。就職するなら人がいい会社に行きたいと思っていましたし、必要とされたのがうれしかった。

ただ、1つ問題がありました。グリラスは食用コオロギを飼育し、商品化する会社です。
「コオロギか……虫だしな……」
もともと虫が得意ではない私にとっては、それが一番のハードルでした。

「一度徳島においでよ」と誘われ、大学4年の夏に、人生ではじめて徳島の地に降り立ちました。そのときに、地元の飲食店で、グリラスのコオロギを使って作ったラーメンとパスタを食べたら、とてもおいしかったんです！　香ばしくてコクがある。この味に感動して、こんなにおいしいものをもっと多くの人に知ってもらいたいと考え、入社を決意しました。親も、「北極に比べたら徳島は近い」とすぐに受け入れてくれました。

徳島は、海も山も川も近く、それぞれ車で1時間以内に行けます。週末は海にクジラを見に行ったり、山登りやラフティング、ダイビングをしたりと、満喫しています。大学時代の友達には、「就職した友達の中で一番楽しそう」と言われます（笑）。これから訪れる、人生初の雪が積もらない冬も楽しみです。いつか必ず南極には行くつもりですが、いまは徳島での生活を存分に楽しみたいと思います。