ダールマンさんショート

28歳のとき、当時付き合っていたスウェーデン人の男性と結婚し、スウェーデンのストックホルムに移住することを決めました。

1人ではじめて海外に行ったのは中学生のとき。自治体の海外派遣プログラムに選ばれ、2週間、アメリカのメリーランド州へ。英語は得意だったはずが、現地ではまったく英語での意思疎通ができず撃沈。ショックを受けた私は、「もう一度チャレンジしてみたい!」と留学制度のある高校を選び、今度は1年間アメリカのアイオワ州に留学。大学は英文科を選び、卒業後は英語に関わる仕事を国内外でいくつか経験しました。

スウェーデン人の夫と出会ったのは、海外の人に日本語を教えるボランティアがきっかけでした。日本語を勉強するために日本に留学していた彼と仲良くなり、交際がスタート。でも、交際を始めて半年で彼はスウェーデンに帰国することに。20代後半で年齢的にも遠距離恋愛は避けたかったため、選択肢は別れるか結婚するかの2択。彼と話し合った結果、結婚してスウェーデンで暮らすことになりました。

それまでスウェーデンに行ったことはなく、「ヨーロッパの北のほう」という程度のイメージしかありませんでした。でも、「ヨーロッパは何度も行ったことがあるし、きっと大丈夫だろう。とりあえず行ってみよう!」と軽い気持ちでストックホルムへ。
しかし、夫以外に知っている人がいない、母国語のスウェーデン語はまったくわからない状況の中で、最初は淋しくてホームシックになりました。英語も通じることに安心感を持っていたのですが、実際に生活してみると、会話が盛り上がるとみんなスウェーデン語になるんです。言葉がわからず疎外感を感じることも多々ありました。
でも、自分で会社を立ち上げて仕事を始めたり、2人の子どもを出産し子育てをしたりするようになってからはママ友や保育園の先生など現地の人たちと関わることが増え、否応なく社会とつながっていきました。
スウェーデンには外食する文化がなく、代わりに友人家族を家に招いて食事をします。最初は「何を話せばいいんだろう?」「何を作ればいいんだろう?」とわからないことだらけ。でも、スウェーデンの人たちは飾らないので、友人が来るからと特に手の込んだ料理を作ることはしません。「あ、こういう感じでいいんだな」と、どんどんスウェーデンの生活に馴染んでいきました。

夫とは生まれた環境も文化も違うため、最初はたくさんケンカをしました。スウェーデン人は議論が好きで、夫は何でも話し合いで解決しようとします。私は話し合った結果、わかり合えないことに絶望するのですが、夫は「わかり合えないことがわかって良かった」と言う。
また、私が「察してよ、疲れた顔してるでしょ」などと思っても、夫からすると「言ってくれなければわからない」。数々のケンカを経て、私は思ったことはきちんと言葉で伝えるようになりましたし、夫は察する努力をしてくれるようになりました。

スウェーデンに来て17年。知らない国の知らない文化に触れ、毎日が新しい発見の連続です。ここに来なければ知り得なかった多くのことを知っていけるのはとても楽しい。
いまは子育てをしながら、日本に北欧の商材を輸出したり、スウェーデンに視察に来られる方の通訳などを手掛ける会社を運営しています。また、コロナ禍にここでの発見を日本人に向けてYouTubeで発信し始めたところ、登録者数が5万人を超え、多くのコメントもいただくようになりました。こうして日本とつながっていられることにうれしさを感じる一方で、スウェーデンもいまは自分の国だという感覚があります。この国のおおらかさや人との適度な距離感をとても心地よく感じています。


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