大澤先生ショート

慶應義塾大学でAIを研究してきた僕は、博士課程修了後に日本大学文理学部の教員になることを決断しました。それが、物心ついたときから抱いてきた「ドラえもんをつくる」という夢を叶えるための最適な選択肢だと考えたからです。

博士課程修了後のよくある進路は、大学の研究員です。ありがたいことに、ある大学からのお誘いもありました。
ただ、僕の進路選択の基準は、ドラえもんをつくれるかどうか。そのためには、研究員なのか、ベンチャー企業に就職するのがいいのか、大企業がいいのか、あるいは、行政はどうか……と真剣に考えました。結果、それぞれに組織的、資金的な課題があって、どこに行っても無理だな、と思った。

じゃあ、どこに行って、何を変えたらドラえもんができるだろう?
そう視野を広げて考えていたときに、ふと目に留まったのが、日本大学文理学部でした。詳しく調べていくと、もう、「ここだ、ここにしか行きたくない!」と思ってしまった。

偏差値重視の大学の在り方を変えれば、ドラえもんをつくれると考えたんです。例えば100人の学生を偏差値で測れば、1位から100位までの順位がついてしまう。そうではなく、100通りの価値軸があって、100通りの1番を見つけることが大学の本来あるべき姿なのではないか。大学がそんな場所になれたら、多様で個性的なパワーが相互に作用し、どんどん新しい価値を生み出せるはず。
それを、東大や慶應ではなく、偏差値という指標では真ん中にいるといわれる学生が集まる日本大学の、しかも文系・理系の壁のない文理学部でやりたい、と思ったんです。日本大学は、日本一学生の多い大学なので、スケールアップも期待できます。

カレンダーに書いてあった他の大学の教員公募はすべて消して、日大文理学部の教員1本に絞りました。国立大からのお誘いも断ったので、周囲からは「まったく理解できない」「意味がわからない」「大澤君はもう研究者をやめるの?」など、さんざん言われましたが、僕の決意は揺らぎませんでした。

2020年4月に着任し、12月には次世代社会研究センター(RINGS)を立ち上げました。ここがいま、1人1人が自分の夢を見つけ、人とつながり、叶えていくためのプラットフォームになっています。100人で1つの目標を実現する組織はたくさんありますが、RINGSは100人で100個の夢を叶える組織です。僕のドラえもんをつくる夢も、一歩一歩、実現に近づいています。

日本大学 次世代社会研究センター(RINGS) ホームページ 大澤正彦 Twitter

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