めぐみさんショート

看護師になって10年、33歳のときに、現場の仕事を続けながら、「いのちの終わりの向き合い方」を伝えるための講師になろうと決めました。今は、看護学校や行政などから依頼を受けて、人生の最期を迎える際のコミュニケーションの大切さについて伝えています。

中学生のとき、職業体験で看護師の母が働く小児科病棟を見学しました。母の働く姿を見て、「母はいのちを守る仕事をしているんだ! 私もそんな仕事がしたい」と思った。しかし、看護師として働き始めて目にしたのは、病棟で管につながれ、うつろな目をしている患者さんたち。「これで、私は命を救っていると言えるのだろうか?」と悩むようになりました。みんな「延命治療はしない」と言いながら、私から見ると十分に延命治療を受けている。それは、本人、家族、医療者が考える延命治療がそれぞれ違うからです。

死ぬとは、死ぬまで「生きる」こと。最期の瞬間までどう生きたいか、考えるのは病院では遅いのです。悩んでいたときに、「待合室から医療を変えよう」というシンポジウムに出席し、医療は医療者だけで変えるものではない、と気づきました。患者さんもその家族も、一緒に医療を変えていきたい。そう思って、病院で働きながら外に出て、自分の言葉で、元気なうちから家族でコミュニケーションをとる大切さを伝える活動を始めました。

最初はカフェで、来てくれたのはたった1人。でも、続けるうちに多くの人が聞いてくださるようになりました。「夫の看取りを後悔していたけれど、私にもできていたことがあったんだと気づき救われました」、「これから起こることが想像できたので、心構えができました」などと言ってもらえたときは、講師になって良かったなと思います。

後閑愛実 Instagram 著書『終活! 送る人送られる人もホッと満足できる本』 Amazon
著書『1000人の看取りに接した看護師が教える 後悔しない死の迎え方』 Amazon

【広告】終活! 送る人送られる人もホッと満足できる本 [ 後閑 愛実 ]

価格:1,540円
(2022/8/23 21:41時点)
感想(0件)