津嶋辰郎

人生は「わくわく」を探す壮大な実験! 凡人が幸せに生きるためにどうやって生きていくべきかを考えた結果たどり着いたのは、「可能性を信じて、多芸を持つ」という生き方でした。そしてその原動力は、お金や名誉ではない、内発的動機付け。象徴的な決断は、文系科目が得意だった自分が理系学科に進学したことです。

6歳で剣道を始め、12歳で全国大会優勝を果たした私。中学・高校時代はそのまま燃え尽き症候群となり、宇宙開発をテーマにしたロボットアニメやプラモデルに執心する日々でした。「このままでいいのか?」という漠然とした危機感。しかし、毛利衛さんが地元・岡山で講演をすると聞いては授業を抜け出して講演を聴きに行っていた自分を振り返り、それほどまでにロボットや宇宙の世界が好きだったことに気が付きました。周囲には得意の文系学科に進んだほうが良いと言われましたが、私はこの「わくわく」を信じて、大阪府立大学航空宇宙工学科に進学することを決意。在学中は鳥人間コンテストに熱中し、二度の優勝と日本記録樹立に成功しました。

その後も、長距離が苦手な私が自転車通学で培った脚力を生かしてトライアスロンを始め、エンジニアこそがイノベーションを生み出す経営者になれると、大企業の新規事業やスタートアップの立ち上げ支援を行うINDEE Japanを立ち上げました。

スポーツ、勉強、家族、仕事……。多芸多軸 を持つことは自分に逃げ場を用意する選択でもあります。苦手分野や未知への挑戦は困難だと思われがちですが、結局どの道を選んでも困難はある。でも「やりたい」という「わくわく」から始めてゴールを見据え、本気で逆算して道筋をつければ、楽しいという実感が目の前の苦しさを上回る瞬間があるんです。心の内はサイエンスでは解決できないアートな領域。剣道が教えてくれた「自分の心に向き合う大切さ」を胸に、新たな挑戦を続けていきたいと思います。

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