『大手企業を退職し、トランポリンを企画・販売』立石有香莉（ゆかぴょん）　株式会社さくらぎさくら 代表取締役

28歳で会社を辞めて、クッション型トランポリン「ゆかぴょん」を考案。トランポリンによって、私の人生は大きく変わりました。

大学を卒業後、大手財閥系企業に就職。法人向けに通信機器関連商品を販売する営業担当として働きました。自ら希望した会社の希望の部署。仕事は充実していましたが、業務のスピードについていくのが大変で、仕事を抱え込んだ結果、どんどんストレスをためてしまいました。

夜遅く帰宅し、甘いお菓子を大量に食べる。あっという間に体重が10キロ増加！　当時は鏡を見るのも写真を撮るのも嫌で、何より体の不調が多かった。
「このままではまずい。何か運動をしなければ」と考えて購入したのが、トランポリンでした。
「お菓子を食べたくなったら跳ぼう」と決め、毎日トランポリンを続けた結果、元の体重に戻すことに成功。自分を変えてくれたトランポリンの素晴らしさをもっと多くの人に伝えたい。しかし、トランポリンは大きく、部屋を占領してしまいます。

――もっと小型で、一人暮らしのマンションにも置けるようなトランポリンがあればいいのに。

そう考えて、自分で市場にある商品も参考にしながら依頼書を作り、製造してもらえそうな工場を探し始めました。こだわったのは、小型でもしっかりとした跳び心地を味わえること。しかし、最初はどこも取り合ってくれません。諦めずにアタックし続けた結果、何とか協力工場を見つけることができました。

トランポリンに関する作業がだんだん忙しくなってきたので、退職を決意。しかし、周囲の強い反対もあり、一度は思い止まりました。そのときにはまだ迷いがあったのだと思います。成功するかどうかもわからない。安定したお給料をもらえる生活を捨てて良いのだろうか、と。
でも、試作品が完成したときに覚悟が決まりました。
私が決断できたのは、最悪の事態をきちんと想定できたからだと思います。もしうまくいかなくても、命を取られるわけではないし、また会社員に戻ってやり直せばいいじゃないか。そう吹っ切れたとき、新しい道に踏み出すことができました。

2022年に会社を作り、本格的にクッション型トランポリン「ゆかぴょん」の販売を始めました。これまでにAmazonで約3000個を売り上げ、ありがたいことに製造が追いつかない状況です。
目標は1万人に届けること。私と同じように、多くの方にトランポリンをきっかけに健康になってもらえたら嬉しいです。